このページの監修医師
三井メディカルジャパンにご質問いただきました内容を掲載いたします。
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商品についてはフェミクッションについてページもご参照ください。
これで骨盤臓器脱は治るのですか?
骨盤臓器脱による不快感は、フェミクッションで80%の人に改善が認められるという専門医によるデータがあります。
臓器を体内に収めておく事はとても大切な事です。痛みや出血が緩和され、排尿困難も改善されます。きちんと早めにお使いいただければ進行を防ぐ事ができます。
高齢者にも使えますか?
20代から90代まで、幅広い年代の方にお使い頂いています。高齢で手術を受けられない方にも重宝していただいております。
認知症の母にも使用できますか?
認知症の重症度によります。自分でトイレに行き排泄ができる場合にはご利用いただけます。また、介助者がいればその方に着脱法などを理解していただく事により、お使いいただけます。
寝たきりの母には使えますか?
認知症の方同様、介助者がいればお使いいただけます。
トイレではどうすればよいですか?
腰ベルトを外してサポーターを下げると、全てが一緒に下がります。排泄後は普段の下着の要領で履いていただけます。フェミクッションで固定してあることにより、患者様の多くは排泄中に臓器は落ちてこないというお声をいただいておりますが、脱ぐと落ちてきてしまう方や、硬い便でいきんでしまうと落ちてきたりする場合は、トイレに入る前にあらかじめ手を洗い、排泄後に臓器を体内に戻してから履くようにしてください。
どの商品を買えば良いですか?
初めてご購入される方は「スターターキット」もしくは「バリューセット」をご購入いただいております。ご購入いただいた後、構成品のみ注文される際にはお電話もしくは「追加お申込みフォーム」よりご連絡ください。なお、その際、スターターキットもしくはバリューセットについているシリアルナンバーが必要となります。お問い合わせの前にこのシリアルナンバーをご用意ください。なお、シリアルナンバーを紛失してしまった際にはお電話にてお問い合わせください。
フェミクッションは直接着用するのでしょうか、それとも下着をつけてから着用するのでしょうか?
必ず、直接着用ください。衛生面が気にされる方は、付属のホルダーではなく、使い捨てホルダーをご利用ください。
クッションを直接、膣にあてるのでしょうか?
はい、直接、膣口にあてていただきます。素材はシリコーンゴム100%で、体に安全な素材です。
※シリコーンゴムは日本において医療材料として認められており、他の素材に比べ安全とさせています。当社で使用しているものはFDA(日本の厚生労働省に該当するアメリカの保健社会福祉省に属する一機関)の基準を満たしたものです。
クッションをつけずに使用できますか?
お腹周りは大丈夫ですが、ヒップ部分が大きいのですが?
体型によってヒップ部分や腿の付け根まわりの生地があまることがありますが、機能に影響はありません。
一日中、着用するものでしょうか?
就寝時には必ず取り外してください。
使わないサイズのクッションはどのようにすれば良いでしょうか?
症状の変化により、適するクッションのサイズは変わる可能性があります。そのため、変化に対応できるよう、使用しないサイズもお手元にて保管をお願いいたします。
クッションに臭いがついてしまったのですが
臭いが気になる場合には新しいものをご注文ください。お電話もしくは追加申し込みフォームより承っております。(シリアルナンバーをお手元にご用意ください。シリアルナンバー紛失してしまった際にはお電話にてお問い合わせください)
クッションが黄色く変色してしまいましたが大丈夫ですか?
はい、シリコーンゴムは光にあてると黄色く変色する性質がありますが、材質上問題はありません。気になられるようであれば、新しいものをご注文ください。お電話もしくは追加申し込みフォームより承っております。(シリアルナンバーをお手元にご用意ください。シリアルナンバー紛失してしまった際にはお電話にてお問い合わせください)
クッションでこすれる感じの違和感があるのですが
閉経後など膣の潤いがなくなると違和感をおぼえる場合があります。その際には市販のベビーオイルやゼリー、ワセリンなどと併用ください。または、メノケアモイストゼリーをご注文ください。
かぶれてしまったのですが
骨盤臓器脱(子宮脱)の症状自体がもともとかぶれやすくなるものです。すでにかぶれの症状がある方、かぶれる可能性がある方はあらかじめ、病院で軟膏などを処方していただくことをオススメいたします。
湿気の多い時期は乾きにくくなりますか?
乾きにくくなる場合があります。気になる方は洗い替えをお持ちになると便利です。
ボディースーツと一緒に履いても良いですか?
はい。専門医の話によると、フェミクッションできちっと固定すれば腹圧をかけても落ちてくることはないとのことなので、一緒に履いていただいても大丈夫です。
フェミクッションをつけたまま運動してもいいですか?
最初は少しずつからはじめてください。違和感などなければ、続けていただいて大丈夫です。
自転車には乗れますか?
乗っていただいてかまいません。ただ、サドル部分により押し込みが強くなり違和感がある場合は、乗車時はクッションのみ外していただき、目的地に着いてからクッションをセットすることをおすすめいたします。違和感がなければ、そのまま乗っていただいてかまいません。
購入してからどの程度で届きますか?
商品のご到着はお申込みから約2~3日でお手元に届きます。(離島は除く)
※天候や配送会社の都合により前後する場合があります。あらかじめご了承ください。
中身が人に知られたくないのですが
ご家族に知られたくない方も多いので、お荷物の送り状には「衣料品」としてお届けいたします。
購入したサイズが想定と異なり、サイズ変更したいのですができますか?
使用後の返品・交換はできません。商品到着後、サポーターは必ず下着の上から履き、ベルトが留まる事をご確認ください。また、交換時の送料は患者様負担となります。
フェミクッションの使い心地について。着けているときの装着感はどんな感じですか?
弱った骨盤底筋をサポートするように、上からの腹圧に耐えられるようしっかりした装着感です。ただし、膣口にふれる部分はシリコーンゴム100%の安全な素材なので、装着中に痛い・違和感があるというようなことはありません。
膣の潤いが足りない場合に、まれに違和感を感じられる方もいらっしゃいますが、市販のベビーオイルやワセリン、または当社で取り扱いのあるメノケアモイストゼリーを使っていただくことで緩和されます。
三井メディカルジャパンはどのような会社ですか?
当社は医療機器の開発・製造・販売メーカーです。女性特有の疾患の症状緩和を目的として設立されました。現在は主にフェミクッションの製造・販売を主としております。
フェミクッションを開発しようと思った経緯を教えてください。
フェミクッションは骨盤臓器脱の症状を緩和するための商品です。当時はまだ骨盤臓器脱の認知は海外と比べてもまだまだ低く、自覚症状はあるものの対処する術が少ないため、多くの女性が苦しんでいました。その状況を打開すべく、研究開発をはじめたのがきっかけとなります。
骨盤臓器脱とはどのような病気ですか?
骨盤臓器脱は、本来骨盤内にある子宮、膀胱、直腸、小腸などの臓器が下がり膣口から体外へ出てきてしまう、女性に多い病気です。
脱出する臓器によって、子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・小腸瘤などがあり、これらを総称して骨盤臓器脱と呼ばれています。
骨盤臓器脱、子宮脱になる人の割合はどのくらいですか?
骨盤臓器脱は、成人女性のおよそ3人に1人がかかるといわれています。また骨盤臓器脱治療のために生涯のうちに手術が必要になるケースは、およそ10人に1人という報告書もあり、女性にとっては大変身近な疾患であるといえます。
骨盤臓器脱、子宮脱の原因は何ですか?
骨盤臓器脱の原因は、骨盤底筋と呼ばれる筋肉の力が弱くなり、臓器を支えきれなくなることだといわれています。骨盤底筋は、ハンモックのように骨盤内臓器を下から支えている筋肉です。
骨盤底筋は、妊娠や出産などでダメージを受けやすく、分娩時に大きな負荷がかかる部位の1つです。筋肉やじん帯がダメージを受け、加齢によって筋力が衰えてくると、支えきれなくなった臓器が膣から脱出してきてしまうと考えられています。経産婦に患者様が多いのはこのためです。
また、喘息などの慢性的な咳で常に腹圧がかかる状況や、農業などの立ち仕事、便秘、肥満なども腹圧がかかりやすく、リスクの1つと考えられています。
その他、子宮がんや子宮筋腫の手術で子宮の摘出手術を受けている方も、本来子宮がある場所に臓器がなくなるためその空間に他の臓器が落ち込んできて、骨盤臓器脱を発症しやすくなるといわれています。
骨盤臓器脱、子宮脱は何歳くらいから発症しやすいのでしょうか?
骨盤臓器脱は、早い方だと出産直後より症状を訴えられます。閉経後の50歳以降での発症が多く、出産経験のある女性ほど発症率が高くなっています。
骨盤臓器脱の初期症状はどのようなものですか?
骨盤臓器脱の初期段階では臓器は膣外に出ておらず体内に留まっており、この段階の症状として、
・下腹部に違和感がある
・子宮が下がる感じがする
・尿漏れがある
・トイレに行ってもすっきりしない
・下垂感がある
などの症状を訴える方が多いようです。
また、寝ている間や朝方は何ともないが、夕方になると不快感・異物感が強くなるというのも大きな特徴です。
骨盤臓器脱のステージについて教えてください。
第1度 | ・膣口まで+1cmのところまで臓器が下がってきている ・内診で初めてわかる程度 |
---|---|
第2度 | ・膣口から前後1cmまで臓器が下がってきている ・排尿障害がある ・自覚症状あり |
第3度 | ・膣口から1cm以上臓器が脱出している |
第4度 | ・臓器がほぼ完全に脱出している |
骨盤臓器脱、子宮脱はどの様な症状がありますか?
骨盤臓器脱の代表的な症状は、下腹部の違和感、お腹が下がってきている感じがする(下垂感)、股にピンポン玉を挟んでいるような感じがすると表現されます。
臓器脱の種類によって、
・排尿障害(トイレが近いまたは残尿感がある)
・排便障害(便秘や指で臓器を抑えていないと排便できない)
・性交障害
・出血
・切迫性尿失禁(腹圧がかかったときに尿が漏れてしまう)
などの症状があらわれます。
骨盤臓器脱、子宮脱を放置しておくとどうなりますか?
骨盤臓器脱は命にかかわる病気ではありませんが、放置していると臓器が重力に引っ張られどんどん下がってしまい、重度になると完全に膣口の外へ出てしまうこともあります。
軽度の場合は、重いものを持ったり、トイレでいきんだりして腹圧がかかったときのみ臓器脱が起こりますが、症状が進行すると常に股にピンポン玉が挟まっているように感じる、下がってきたもの押し戻しにくくなるなど、異物感が強くなります。
骨盤臓器脱の症状の進行によって、排尿障害や排便障害などのトラブルが起きやすくなる、腎臓に負担がかかる、走る・自転車に乗る・重いものを運ぶといった日常生活を送ることが困難になるなどの、QOL(生活の質)の低下が懸念点です。
重度の骨盤臓器脱になると、臓器が完全に脱出し下着に擦れて痛みや出血を伴うようになり歩行が困難になります。また尿道が折れ曲がり排尿ができなくなると、常に膀胱内に尿が溜まった状態になり、重篤な場合は水腎症や腎機能障害を発症することもあります。
骨盤臓器脱、子宮脱の治療方法にはどんなものがありますか?
骨盤臓器脱の場合、服薬による治療法がありません。根治を目指す場合は手術をすることになります。(手術療法)
症状の緩和を目的とする温存療法では、ペッサリー(リングペッサリー)の挿入や、フェミクッションを使用する方法などがあります。
また、骨盤底筋を鍛えるウォーキングなどのトレーニングや、骨盤底筋を鍛える運動も症状の緩和に有効です。
その他、慢性的な咳は治療する、ダイエットすることも、腹圧を抑えてくれるため重症化のリスクを減らすことができます。
骨盤底筋運動とはどのようなものですか?
骨盤底筋運動は、下記の要領で行います。
① 腹圧をかけないように、膣口をゆっくり締めてキープ
② 力を抜いて膣口を緩める
③ ①→②を10回ほど繰り返す
軽度の場合は、継続してトレーニングすると、2~3ヶ月で効果が表れます。家事をしながら、テレビを見ながら、すき間時間に行えるのでおすすめです。
骨盤臓器脱・子宮脱の手術はどのようなものですか?
術式 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
子宮摘出術 | 下垂している子宮を摘出する | ・子宮がんなどのリスクがなくなる | ・妊娠できなくなる |
膣縫縮術 | 弱っている膣壁を縫い縮める | ・簡単な手術 | ・再発リスクがある |
従来法(上記2つを同時に行う) | 子宮摘出後に膣壁を縫い縮める | ・低侵襲 | ・再発のリスクがある |
経腟メッシュ手術 | 膣壁をシート状のメッシュで補強する | ・開腹しないため負担が少ない ・再発リスクが低い |
・合併症や後遺症の問題から欧米では禁止されている方法 |
膣を閉鎖する | 膣を縫い合わせる(寝たきりなどの場合のみ) | ・短時間で手術できる | ・性交ができない |
腹腔鏡下仙骨腟固定術 | 腹腔鏡下にて、下垂した膣を仙骨へ固定し骨盤底筋を補強 | ・痛みや癒着などリスクが少ない ・再発率が低い |
・手術時間が長い |
ロボット支援下仙骨膣固定術 | 手術支援ロボットで行う仙骨膣固定術 | ・安全で確実な処置が可能 ・保険適用できる |
・手術時間が長い |
骨盤臓器脱・子宮脱の検査はどのようなものですか?
骨盤臓器脱や子宮脱の診察は、主に問診と触診・内診です。膣の状態や外陰部について異常がないかを確認します。排尿障害や排便障害がある場合は、造影剤を使ったレントゲン検査も行います。
子宮脱を発症している場合、他の骨盤臓器脱も一緒に起こることが多いため、婦人科と泌尿器科などで診察や治療を並行して行います。
骨盤臓器脱、子宮脱が疑われる症状がある場合は、何科で診てもらえばいいですか?
骨盤臓器脱は、婦人科もしくは産婦人科、泌尿器科などで診断ができます。またウロギネ外来や女性泌尿器科など、専門的な診療科がある場合はそちらでも治療が可能です。
※ウロギネ外来
女性特有の病(骨盤臓器脱や腹圧性尿失禁)を専門に診る女性専門外来のこと。「ウロロジー(urology):泌尿器科」と「ギネコロジー(gynecology):産婦人科」から作られた造語。
骨盤臓器脱は、命にはかかわらないQOL疾患ですが、生活の質を著しく低下させてしまうため、日々の仕事や生活が困難になってしまいます。
フェミクッションは、骨盤臓器脱の治療や予防のための医療機器として開発された新しい治療法で、臓器が脱出しないよう体の外側から固定します。
患者様ご自身で簡単に装着できるため、定期的に通院できない方や手術を受けられない方にも最適です。骨盤臓器脱の進行を防ぎ、症状の改善に期待できるでしょう。
永尾 光一 先生
東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長
昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。
所属医療機関
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役
三井 桂子
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、三井メディカルジャパンを通じて発売。