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「リンパ節を取っていないのに脚がむくむのはなぜ?」と、心配になっていませんか。

リンパ節を切除していなくても、手術・放射線治療・投薬・感染・ケガなどによるリンパ管系の損傷が原因で、リンパ浮腫を発症する場合があります。

本記事では、リンパ浮腫の原因と症状、放置するリスクや治療法を紹介します。違和感を覚えた段階で早めにケアを始められるよう、ぜひ参考にしてください。

 

 

リンパ浮腫の原因①|がん治療

リンパ浮腫

日本では、以下のようながん治療を受けたことが原因でリンパ浮腫を発症するケースが多く見られます。

・リンパ節の切除
・手術や放射線治療でのリンパ管系損傷
・一部の抗がん剤の影響

すぐに症状が表れる場合もあれば、数年~数十年後にむくむ人もいます。がん治療で影響を受けた部位のみにリンパ浮腫が起こることが特徴です。

自身の治療歴に心当たりがある方は、むくみが起こりやすい部位を定期的にチェックする習慣をつけましょう。

 

リンパ節の切除

がんを取り除いたり転移を防いだりするために、病巣に近いリンパ節を切除することは、リンパ浮腫の代表的な原因です。がんの種類により、以下のようにむくむ場所が異なります。

がんの種類 切除の可能性があるリンパ節 むくみが起こる部位
乳がん わきの下 ・手術をした側の腕
・胸
・背中
・子宮がん
・卵巣がん
・鼠径部
・骨盤内
・下肢
・下腹部
・陰部

 

リンパ節は、リンパ液の通過点となる、数mm~1cmほどの豆に似た形の器官です。

処置により、リンパ液の流れる経路の一部が失われてしまうと、体内の水分がうまく循環できなくなる場合があります。回収されなかった水分や老廃物が腕や脚の皮下組織にたまり、慢性的なむくみとなってリンパ浮腫が生じます。

 

手術や放射線治療でのリンパ管系損傷

手術や放射線治療の際に周囲のリンパ管・リンパ節が傷つくことも、リンパ浮腫の原因です。

がんを摘出する手術では、意図せず周囲のリンパ管やリンパ節を損傷するリスクが少なからずあります。

放射線治療は、放射線でがんを攻撃し、病巣を縮小・消失させるための治療法です。がん細胞だけでなく、周囲の健康な組織やリンパ管にもダメージを与えることがあります。

リンパ管系が破壊されると、リンパ液の循環がスムーズに行われなくなり、むくみが発生しかねません。婦人科がんでは、放射線治療しか行なっていないケースでも、リンパ浮腫を発症するリスクがあることがわかっています。

 

一部の抗がん剤の影響

リンパ浮腫の原因の1つは、一部の抗がん剤の影響です。

乳がんや婦人科がんの治療に使われるタキサン系の抗がん剤を使用した方は、リンパ節を切除していなくてもリンパ浮腫を生じるケースが報告されています。

抗がん剤の副作用としてのむくみは、全身に表れる傾向があり、治療が終わるとともに軽減するケースが一般的です。しかし、乳がんの方はがんがあった側の腕だけ、婦人科がんの場合は脚のみにむくみが残り、リンパ浮腫に移行することがあります。

命を守るために、抗がん剤の使用を避けられない場合もあるでしょう。やみくもに不安にならず、正しい知識をもとにがんと闘った自分の体を注意深く観察することが、リンパ浮腫の早期発見・治療のカギです。

 

リンパ浮腫の原因②|リンパ管系の先天的な異常

リンパ浮腫は、リンパ管系の生まれつきの発達異常によっても起こります。先天的にリンパ管系の未発達が見られるケースを「原発性リンパ浮腫」と呼び、リンパ管の数が非常に少ない特徴があります。

生後すぐにむくみが起こる場合もあるものの、成長にともないリンパ液が増え、循環が追いつかずに発症することが一般的です。

原発性リンパ浮腫は脚に発症する人が多く、両方むくんだり片方だけであったり、症状はさまざまです。

 

リンパ浮腫の原因③|感染症やケガ

リンパ浮腫は、感染症やケガが原因でも起こることがあります。

日本では稀ですが、世界的に多いリンパ浮腫の原因は「フィラリア症」という、蚊を媒介とする寄生虫による感染症です。

ケガや交通事故、火傷などでリンパ管を損傷しても、リンパ液がうまく流れなくなって局所にたまり、むくみが生じます。関節の手術や整形外科的な処置のあとにリンパ浮腫が生じることもあり、注意が必要です。

 

リンパ浮腫を発症するとどうなる?

リンパ浮腫の症状と、放置するリスクを解説します。

リンパ浮腫は、一度発症すると完治は望めず、適切にケアしなければ進行して重症化する恐れがあります。軽度のうちに症状に気づき、いち早く治療を始めることで、むくみのある部位を良い状態に保ってください。

 

症状

がん治療を受けた部位の近くの腕や脚に、以下のような症状があった場合はリンパ浮腫を発症している恐れがあります。

・腕・脚が重だるい
・下着や衣服・アクセサリーの痕が残る
・皮膚が突っ張る
・皮膚のしわが見えにくくなった
・むくみを押すと痕が残る

はじめは腕や脚を高く上げて休めば軽快していたむくみは、悪化するとともに慢性化し、休憩しても改善しなくなるでしょう。

自分のむくみやすい部位に症状が表れていないか、定期的にチェックしてください。

 

放置するリスク

発症したリンパ浮腫を治療しなければ、以下のような状態に陥る恐れがあります。

リスク 詳細
症状改善が困難となる 皮膚や皮下組織が硬くなり、もとに戻らなくなる
合併症を起こしやすくなる 蜂窩織炎 細菌感染により起こり、ひどくなると命に関わる
象皮症 皮膚が硬く厚くなり、くびれのない腕や脚になる
リンパ漏 皮膚にできた小さな傷からリンパ液が漏れ続ける
リンパ小疱 リンパ管が皮膚の表面に水ぶくれのように表れる
日常生活に支障が出る 関節が曲げ伸ばししにくくなり、歩行や家事・仕事が困難となる
精神的ストレスがたまる ・見た目の変化が気になる
・痛みにより睡眠が妨げられる場合もある

 

早期に症状に気づき、ケアすることで悪化を防げます。「むくみくらいで大げさ」と思わず、違和感を覚えたらリンパ浮腫の専門家に相談しましょう。

 

リンパ浮腫の治療法

リンパ浮腫の代表的な治療法は、以下のとおりです。

・圧迫療法
・圧迫下での運動
・用手的リンパドレナージ
・スキンケア
・手術

複数の方法を組み合わせると、より高い治療効果が望めます。生涯にわたって続ける治療法もあるので、正しい知識をしっかりと身につけることが大切です。

 

圧迫療法

圧迫療法は、リンパ浮腫治療のなかで中心となる重要な方法です。症状に応じた医療用弾性ストッキングや弾性バンテージで患部を圧迫し、リンパ液の流れを促します。

圧迫療法によるメリットは、以下のとおりです。

・リンパ液や血液のうっ滞を改善する
・むくんでいる部位を良い状態に保つ
・合併症を予防する

弾性着衣は、基本的に日中は毎日装着し、夜間は外します。装着方法が誤っていると皮膚トラブルや循環不良の原因となり、症状が悪化しかねません。

継続的な使用が必要なので、「治療を続けやすい」「心地良く履ける」と思えるような弾性着衣選びが非常に重要です。

 

圧迫下での運動

リンパ浮腫の治療として、弾性着衣を装着した状態での運動も勧められます。筋肉が収縮・弛緩するときのポンプ作用に加え、外側からの圧迫を利用することで、リンパ液の流れを効率良く促します。

運動による筋肉量の維持も、リンパ浮腫の悪化予防に大切です。

ただし、過度に運動すると、血液の循環が増えてリンパ液が増生される恐れがあります。運動が逆効果にならないよう、エクササイズの種類や強さについて、あらかじめ専門家に指示を仰ぐと良いでしょう。

 

用手的リンパドレナージ

用手的リンパドレナージは、リンパ浮腫の治療法の1つです。専門の教育を受けたセラピストによる手技療法で、流れが滞っている部分から正常なリンパ節へ、リンパ液を優しく誘導します。

用手的リンパドレナージは、手のひらでなでるようなソフトな手技であり、筋肉をほぐすためのマッサージや、エステで行われるリンパドレナージュとは異なります。専門知識を持たない人の施術を受けることは避けてください。

用手的リンパドレナージの実施後すぐは効果が感じられるものの、時間が経つともとに戻ってしまいます。施術を受けたあとは、しっかりと圧迫し、治療効果を高めましょう。

 

スキンケア

リンパ浮腫が生じるリスクのある方が発症前から毎日取り入れたい大切な対策・治療法は、スキンケアです。

むくんでいる部位は皮膚が乾燥して薄くなり、バリア機能が低下している状態です。小さな傷が細菌感染のきっかけとなり、リンパ管が炎症を起こすと、リンパ液を流す機能はさらに低下する恐れがあります。

以下のポイントを参考に、毎日スキンケアに取り組みましょう。

ポイント 目的と具体例
保湿 ・皮膚のバリア機能を高める
・入浴後に保湿剤を塗布する
保清 ・皮膚を清潔に保つ
・手をしっかりと洗い、爪は短く切る
保護 ・ケガや日焼けを防ぐ
・長袖・長ズボンを着用する

 

スキンケアによって皮膚を健やかに保ち、症状悪化や感染の予防に努めてください。

 

手術

リンパ浮腫の治療では、以下のような手術で症状の改善を目指すこともあります。

手術の名前 詳細
リンパ管静脈吻合術
(LVA)
リンパ管と静脈をつなげてリンパ液を流すルートを新たに作る
リンパ管・リンパ節移植術
(VLNT)
健康なリンパ節を血管ごと移植してリンパ液の流れを回復させる
脂肪吸引術
(LS)
皮下に沈着した脂肪を除去し、見た目を良くする

 

LVAは、局所麻酔で実施できることもあり、患者さんの体への負担が少ない手術です。リンパ管の機能が維持されている状態で行なったほうがより効果が見込めます。

手術の前後に、圧迫療法をきちんと行うことが大切です。

 

リンパ浮腫の治療にはリンパスリムを

リンパ浮腫での圧迫療法には、医療用弾性ストッキングであるリンパスリムをおすすめします。リンパ浮腫治療に必要なクラス2(23~32mmHg)以上の着圧ながら、履きやすさにこだわり、毎日の装着が苦にならない製品を目指しました。

優れた伸縮性により、リンパ浮腫の進行にともない既存の弾性ストッキングが履けなくなり、弾性バンテージやベルクロ式の装具を使用していた方でも利用できます。リンパスリムは、包帯や装具に比べて見た目が自然なので、人目が気になりにくいでしょう。

縦方向はフリーサイズで、身長を問わずフィットします。

リンパ浮腫を発症したあとは、圧迫療法を長く続ける必要があるため、適切な弾性ストッキング選びは非常に大切です。苦痛に感じることなく治療に取り組めるよう、ぜひリンパスリムをお役立てください。

リンパスリムの効果を確認する

この記事の監修医師

永尾 光一

永尾 光一 先生

銀座リプロ外科 院長
前・東邦大学泌尿器科教授

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

この記事の執筆者

三井 桂子

株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役

三井 桂子

株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、三井メディカルジャパンを通じて発売。

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