COLUMN

出産後、赤ちゃんの抱っこや授乳をする際に尿漏れが起き、「不快感を改善できる方法はないか」とお悩みではありませんか。

尿漏れは出産した女性の多くが経験しており、珍しい症状ではありません。日常生活や育児でお腹に力を入れた際に尿漏れが生じる場合は、妊娠・出産の影響で骨盤底筋が弱っている可能性があります。

自然治癒する方もいますが、慢性化するケースもあるため、放置せず早めに対処しましょう。

本記事では、出産後の尿漏れの特徴やよくある質問、改善方法について解説します。尿漏れの症状をなるべく早く改善したい方は、ぜひご一読ください。

多くの女性は出産後の尿漏れを経験している

妊娠・出産にともない、尿道や肛門を締める骨盤底筋がゆるんだり傷ついたりするため、産後の多くの女性に尿漏れのリスクがあります。産後の尿漏れが気になる方は、恥ずかしがらず早めに医療機関へ相談しましょう。

出産後の尿漏れについて、原因・タイプ・発症割合・症状が続く期間を解説します。

原因

出産後の尿漏れの代表的な原因は、以下のとおりです。

  • 骨盤底筋のゆるみや損傷
  • 神経のダメージ
  • 子宮による膀胱の圧迫

妊娠して体重が増加したり、出産で赤ちゃんが産道を通ったりすると、子宮や膀胱を支える骨盤底筋に大きな負荷がかかります。結果として骨盤底筋がゆるんだり損傷したりして尿道をしっかりと締められなくなり、尿漏れが起きます。

出産時に神経が傷ついた方も、尿意を感じにくくなり、気づかないうちに尿漏れが起きてしまうことがあるでしょう。

妊娠で大きくなった子宮は、出産してもすぐには元に戻りません。大きくなった子宮が産後も膀胱を圧迫し続ける場合も、尿が漏れやすくなります。

出産後に起こりやすい尿漏れのタイプ

出産後に起こりやすい尿漏れには、以下のようなタイプがあります。

  • 腹圧性尿失禁
  • 切迫性尿失禁
  • 混合型尿失禁
  • 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
  • 機能性尿失禁

腹圧性尿失禁は、骨盤底筋が弱った状態で、重い荷物を持ったり、くしゃみや咳をしたりしてお腹に力が入ったときに尿漏れが起こるタイプです。

尿意を突然感じ、トイレまで我慢できない方は、切迫性尿失禁の可能性があります。切迫性尿失禁は、膀胱の調節機能に問題があり、勝手に収縮して排尿する状態です。腹圧性と切迫性の症状をあわせ持つ混合型尿失禁になる方もいます。

溢流性尿失禁は、残尿が膀胱の容量を超え、勝手に尿が漏れ出るタイプです。膀胱周囲の神経機能の低下により生じます。

尿漏れには、膀胱や尿道には大きな問題がないのに、歩行状態や認知機能の問題でトイレに間に合わずに失禁してしまう、機能性尿失禁もあります。

発症割合

出産後に尿漏れが起こる方は珍しくなく、30%近くの女性が発症するという報告があります。およそ3人に1人が経験しており、自身だけに起こっている症状ではないため、1人で抱え込まず泌尿器科へ相談しましょう。

経腟分娩では、赤ちゃんが産道を通過する際に骨盤底筋が受けるダメージが大きく、帝王切開より尿漏れしやすい傾向があります。何度も出産を経験したり、多胎児を妊娠したりした方も骨盤底筋へ大きな負担がかかり、尿漏れしやすいといえます。

症状が続く期間

出産後に生じる尿漏れは、分娩後3か月〜1年ほど続く方が多い傾向です。

出産時にダメージを受けた骨盤底の筋肉や組織・神経は時間とともに修復されていき、多くの女性は、産んだあと3か月程度で尿漏れの症状が改善します。

しかし、産後1年以上経過しても症状が治らず、尿漏れが慢性化するケースもあります。出産してから1年以内に尿漏れが改善しない場合は、自然治癒しない可能性が高いため、効果的な対策を講じることが重要です。

出産後の尿漏れに関するQ&A

出産後の尿漏れに関してよく挙げられる、以下の質問にお答えします。

  • 自然に治る?
  • 放置するとどのようなリスクがある?
  • なかなか治らない場合はどうしたら良い?

同じ疑問や不安を持っている方はぜひ一読し、とるべき行動を確認してください。

自然に治る?

産後の尿漏れは、出産により骨盤底筋がゆるむことで生じるため、筋肉の回復とともに自然に治ることが一般的です。数か月もすれば骨盤底筋が修復され、尿漏れも治るでしょう。

ただし、すべての女性の尿漏れが自然に治るわけではありません。日常的に重い荷物を持ったり、高齢で出産したりした方は筋肉の回復が遅く、尿漏れが治りにくい傾向です。

一旦症状が落ち着いたとしても、加齢にともない再発するケースもあります。尿漏れの再発リスクを軽減するには、継続的に対策を講じておくことが大切です。

放置するとどのようなリスクがある?

出産後の尿漏れの症状を放置すると、以下のようなリスクがあります。

  • 皮膚かぶれ
  • 感染症
  • 膀胱炎や膀胱がんの見落とし
  • 症状の長期化
  • メンタル面の不調

尿は、アンモニアや体内の老廃物を含む液体です。漏れた尿が皮膚に触れることで炎症につながり、感染を引き起こす可能性があります。

尿漏れは膀胱炎や膀胱がんが原因の場合もあり、「産後にはよくあること」と放置していると、気づくタイミングが遅くなってしまいかねません。早めの検査で、命に関わる事態を防ぎましょう。

尿漏れに悩む方は、恥ずかしさから誰にも相談できず、他人と距離を置いてしまいがちです。社会的な疎外感を覚えるようになり、気分が落ち込んだり疲労感が続いたりして、精神的な不調をきたす前の対処が求められます。

なかなか治らない場合はどうしたら良い?

出産後の尿漏れがなかなか治らない場合は、女性泌尿器科やウロギネセンターといった専門外来のある医療機関を受診してください。ウロギネとは泌尿器科と婦人科の両方を専門とし、両者の境界領域の病気である尿漏れや骨盤臓器脱などの治療をする診療科です。

女性の泌尿器トラブルを専門的に扱う医療機関であれば、一般のクリニックよりも気軽に相談できるでしょう。

受診前に尿漏れの頻度や量を記録した排尿日記を作成しておくと、医師が症状を把握しやすく、診断がスムーズになります。尿の量は、計量カップや紙コップを使えば簡単に計測可能です。

出産後の尿漏れの改善方法5選

出産後の尿漏れの改善方法は、以下の5つです。

  1. 胴まわりを締めるガードルや衣服を避ける
  2. 骨盤あたりに負担をかけない動作を心がける
  3. 摂取する水分・塩分に気をつける
  4. 骨盤底筋トレーニングを継続する

症状を放置すると慢性化し、不快感が残り続ける恐れがあるため、尿漏れが気になる場合は早めに対策を始めましょう。

1. 胴まわりを締めるガードルや衣服を避ける

お腹まわりを締めるガードルや衣服を避けることで、出産後の尿漏れの改善が期待できます。腹部に圧力が加わると、骨盤底筋に負荷がかかり、尿漏れの症状が慢性化しかねません。

骨盤底筋は、出産してから1~3か月かけて回復することが一般的です。短くとも出産後1か月程度はお腹まわりに負荷をかけないよう、ゆったりとした衣服の着用をおすすめします。

「歪んだ骨盤をサポートする」と謳っているガードルは、産後の回復に良いと思うかもしれませんが、お腹を締め付けるため尿漏れには逆効果です。出産後すぐの使用は避けてください。

2. 骨盤あたりに負担をかけない動作を心がける

出産後の尿漏れを改善する対策の1つが、骨盤周囲に負担をかけない動作を心がけることです。以下のポイントを参考に、骨盤底筋に負担がかからないよう意識して過ごしましょう。

  • 重い荷物を持たない
  • 低い位置からの赤ちゃんの抱っこは一度かがんでから抱き上げる
  • 授乳時は力みすぎないようクッションやタオルで赤ちゃんを支える

出産後は、抱っこや授乳といった慣れない動作が増えます。無理な姿勢での育児は体への負担が大きく、骨盤底筋の回復を遅らせかねません。尿漏れがなかなか治らない方は、無理な体勢で子育てをしていないか、一度見直すことが大切です。

3. 摂取する水分・塩分に気をつける

出産後に尿漏れが生じた場合は、水分・塩分の摂取にも気をつけてください。

冷たい飲み物は膀胱を刺激し、尿漏れを悪化させる原因になります。常温や温かめの飲み物をゆっくりと飲みましょう。大量の水分を一度に飲むことも、膀胱に尿が急激に溜まりやすくなるため避けたほうが無難です。

利尿作用のあるカフェイン・アルコールや、膀胱を刺激する炭酸飲料の摂取も控えることがおすすめです。

水分だけでなく、塩分の摂り方にも注意する必要があります。塩分を過剰に摂ることで喉の渇きから水分摂取量が多くなり、尿量も増えてしまいます。

尿漏れ対策をしたいなら、尿が作られやすくなる行動を避けることが不可欠です。

4. 骨盤底筋トレーニングを継続する

出産後の尿漏れでお悩みの方は、骨盤底筋トレーニングを継続して行いましょう。妊娠・出産の影響でダメージを受けた骨盤底筋の筋力を回復させれば、症状の改善が期待できます。

骨盤底筋トレーニングの基本的な動作は、以下のとおりです。

  1. 尿道・腟口・肛門を10秒程度かけて締める
  2. 力をゆっくりと抜く
  3. 力を入れる・抜く動作を10回繰り返す

慣れてきたら、1日のなかで実施する回数を増やしましょう。トレーニングする際の姿勢に指定はなく、立った姿勢に加え、仰向けや椅子に座った状態でも行えます。

効果が出るまでには時間がかかるので、数か月にわたって毎日少しずつでも続けることが大切です。

出産後はフェミクッション ハピネスで骨盤底筋ケアを

出産後、骨盤底筋のゆるみでお悩みの方は、ぜひフェミクッション ハピネスをお試しください。

フェミクッション ハピネスは骨盤底筋を下から支える医療機器で、下着の上に着用します。お腹に力を入れたときの刺激を受け止め、骨盤底筋へのダメージを優しく受け止めます。

骨盤底筋のゆるみが進行すると、将来的に腟から子宮や膀胱が出てくる骨盤臓器脱を発症する恐れがあるので、症状が軽いうちのケアが肝心です。

フェミクッション ハピネスの特徴は以下のとおりで、産後の生活に取り入れやすいでしょう。

  • 洗って繰り返し衛生的に着用できる
  • シンプルな構造で使用するシーンを選ばない
  • インターネット上で買えて誰にも知られずにケアできる
  • 優れた伸縮性によりお腹まわりを締め付けない

「ケアを始めたい」と思ったときにインターネット上ですぐに購入でき、特別注文を含む4つのサイズからご自身の体型に合わせて選択していただけます。

医療機器メーカーが、骨盤底筋のケアに悩む多くの女性の声に耳を傾けて開発したフェミクッション ハピネスを、ぜひお試しください。

産後の骨盤底筋ケアにフェミクッション ハピネスを使ってみる

この記事の監修医師

永尾 光一

永尾 光一 先生

一般社団法人日本精索静脈瘤協会 理事長
医療法人社団マイクロ会 理事長
銀座リプロ外科 院長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

この記事の執筆者

三井 桂子

株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役

三井 桂子

株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、三井メディカルジャパンを通じて発売。

コラム一覧

その他のコラムカテゴリー

この記事を見た人はこんな記事も見ています

女性に多いじわじわ尿漏れの原因や対策方法を解説します。じわじわ尿漏れを起こす尿失禁の種類や受診の目安、おすすめのフェムケア商品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

続きを読む

尿もれや頻尿の症状を自覚しながらも、治療をできていないという方は多いのではないでしょうか? 尿もれや頻尿はデリケートな悩みなので相談しづらく、つい困っていることを隠しているという方もいると思います。 …

続きを読む

目次1 尿失禁の種類1.1 切迫性尿失禁1.2 腹圧性尿失禁1.3 混合性尿失禁1.4 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁1.5 機能性尿失禁2 切迫性尿失禁とは2.1 腹圧性尿失禁との違い2.2 混合性尿失禁との違い3 切 […]

続きを読む

腹圧性尿失禁とは、自分の意思とは関係なく、腹圧がかかった時などに尿が漏れてしまうことです。出産を経験した女性の約半数が経験すると言われており、悩んでいる女性は多いものの、恥ずかしいなどの理由で、人に…

続きを読む

スターターキット ライトネット購入限定

まずは試してみたい
という⽅に!

まずは試して、⾝体に合うかどうか、使いやすいかどうかなど確認してみたいという⽅におすすめです

セット内容

・サポーター1枚(ミディベージュサポーター)
・クッション 3個(S・M・L各サイズ1個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※スターターキット ライトをご選択の方はミディベージュサポーターのみとなります。

27,500円(税込)
サポーターのサイズ:
使い捨てホルダー(1袋50枚入):

スターターキット

普段の⽣活でしっかり
使いたい⽅に!

⽇常的に使いつつ、サポーターの種類にこだわりたい⼈におすすめ。ディスポもついてくるので尿もれ対策も可。

セット内容

・サポーター1枚(次の項目で種類・サイズを選択ください)
・クッション 6個(S・M・L各サイズ2個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※コットンの特注サイズは現在在庫切れです。

33,000円(税込)
サポーターのサイズ:
サポーターの種類:
※サポーターの種類の違いはこちら ※ミディのサイズⅡベージュは新しいタイプのサポーターになります
使い捨てホルダー(1袋50枚入):
フェミクッション

FREE
VIEW