COLUMN

「咳やくしゃみをしたときにヒヤッとするストレスをどうにかしたい」と、尿漏れの対策方法をお探しではありませんか。

急にお腹に力が入ったときの尿漏れは、腹圧性尿失禁と呼ばれます。軽度であれば、吸水ナプキン・ショーツで対応できることもある一方で、咳や日常動作の拍子に尿が漏れる感覚は嫌なものでしょう。

本記事では、咳で尿漏れが起きやすい人の特徴や、症状を改善するための対策を詳しく解説します。日常生活やおでかけ先でヒヤッとする経験を少しでも減らし、アクティブな毎日を過ごしたい方は、ぜひ参考にしてください。

咳やくしゃみでの尿漏れは腹圧性尿失禁かも

咳やくしゃみをしてお腹に力が入った瞬間に尿漏れしてしまう症状は、腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)の可能性があります。

腹圧とはお腹の内臓が納まっているところ(腹腔)にかかる圧力で、姿勢の安定や排泄のコントロールに役立つ力です。しかし、内臓を支えている骨盤底筋が衰えると、腹圧の影響で尿漏れが起こる場合があります。

腹圧性尿失禁の症状と原因を確認しましょう。

腹圧性尿失禁の症状

腹圧性尿失禁は、日常生活における次のような場面で多く起こります。

  • 咳やくしゃみをした瞬間
  • 笑ったとき
  • 階段を上り下りしたとき
  • 走ったとき
  • スポーツを楽しんでいる最中
  • 重い荷物を持ち上げたとき

尿意がなくても、お腹に力が入ったタイミングで尿漏れしてしまうことが特徴です。

腹圧性尿失禁は、軽度なら月に数回程度で済みます。しかし、症状が進行すると日常動作のたびに尿が漏れたり、歩くだけで失禁したりする恐れがあります。尿漏れを心配して外出や運動を控えれば、生活の質が大きく低下するでしょう。

腹圧性尿失禁の原因

以下のような原因によって骨盤底筋や尿道括約筋がゆるみ、尿道がしっかりと閉まらなくなることで腹圧性尿失禁が起こります。

  • 妊娠・出産で骨盤底筋や靭帯を損傷した
  • 年齢とともに骨盤底筋や尿道括約筋の力が弱まった
  • 閉経によるエストロゲンの分泌低下で筋肉の弾力が弱まった
  • 肥満・便秘や生活習慣により腹圧が慢性的にかかる
  • 手術やケガで排尿に関わる筋肉や神経が傷ついた

骨盤内の臓器を支えている筋肉や靭帯は、排泄コントロールや性機能の維持に重要な役割を担う部位です。さまざまな原因により骨盤底が傷ついたり、日常的に腹圧がかかる状態が続いたりしてダメージを受けると、臓器を支える力が低下します。

腹圧性尿失禁になりやすい人の特徴

腹圧性尿失禁になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。

  • 妊娠・出産経験がある
  • 便秘がちである
  • タバコを吸う
  • 肥満体型である

咳をしたときの尿漏れを不安に感じている方は、自分に当てはまる項目がないか、ぜひチェックしてください。

妊娠・出産経験がある

妊娠・出産経験は、腹圧性尿失禁のリスクを高める要因の1つです。妊娠中は子宮が大きくなり、膀胱や尿道を支える骨盤の筋肉や靭帯に負担がかかります。

経腟分娩では、赤ちゃんの頭が産道を通る際に、骨盤底筋や靭帯が伸びたり傷ついたりすることがあります。器具を使用して赤ちゃんを娩出する吸引・鉗子分娩でも、骨盤底が損傷しかねません。

複数回の出産や難産、多胎児(双子・三つ子)の分娩を経験した人ほど、骨盤底筋の回復が不十分になりやすく、尿漏れのリスクが高まります。

「妊娠・出産を経験した方は誰でも骨盤底にダメージがある」と認識し、尿漏れ対策に努めることが大切です。

便秘がちである

咳をしたときの尿漏れは、便秘がちな人にもリスクがあります。

慢性的な便秘があると、排便時に強くいきむ癖がついてしまいます。いきみは腹圧を高め、膀胱や尿道を支える骨盤底筋に大きな負担をかける原因です。いきむ習慣が長期間続くと、骨盤底筋が徐々にゆるみ、尿を止める力が低下して腹圧性尿失禁が起きやすくなります。

便秘とは、通常3日以上排便がない状態のことです。しかし、便通異常症(慢性便秘症)診療ガイドラインでは、以下のような状態も便秘だと定義されています。

  • 便が硬い・コロコロしている
  • 排便回数が減った
  • 排便時に過度な力みを要する
  • 残便感がある

毎日お通じがあっても排便に困難さを感じている方も便秘とみなされ、気づかないうちに骨盤底筋に負担をかけている可能性があります。

タバコを吸う

腹圧性尿失禁になりやすい人の特徴の1つが、喫煙習慣です。タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、血管を収縮させる作用を持ちます。ニコチンの影響で、膀胱も収縮するといわれています。

喫煙は、慢性気管支炎のような長く続く咳の原因の1つです。頻繁な咳による腹圧の上昇が慢性化すると、骨盤底へのダメージが蓄積されていくでしょう。咳のたびに「尿漏れするかも」と気にすることは、大きなストレスになりかねません。

禁煙は、腹圧性尿失禁の対策として推奨されています。

肥満体型である

咳での尿漏れは、肥満体型の方に起こりやすい症状です。体重が増えると、脂肪に圧迫されることで、膀胱や尿道に日常的にかかる圧力が上がります。肥満は、お腹に軽度の継続的な圧力がかかる状態もつくるため、骨盤底筋への負担が蓄積する要因です。

肥満は便秘や運動不足にもつながり、複合的に尿漏れのリスクを高める恐れがあります。

「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算されるBMIが25以上であれば、肥満にあたります。食事管理や軽度な運動を取り入れ、適正な体重を目指しましょう。

咳で尿漏れする場合の対策は?

咳やくしゃみによる尿漏れの対策方法は、以下のとおりです。

  • 骨盤底筋トレーニング
  • 生活習慣の改善
  • 薬物療法
  • 手術
  • フェミクッション ハピネスの使用

「まだ対策するほどではない」と放っておくと、尿漏れが進行する恐れもあるので、取り入れやすい項目からすぐに始めることを推奨します。

骨盤底筋トレーニング

骨盤底筋トレーニングは、咳による尿漏れ対策に有効です。腹圧性尿失禁は、骨盤底筋のゆるみを原因の1つとして起こる症状です。トレーニングにより尿道を閉じる力が強まれば、尿漏れの改善が期待できます。

筋肉は、瞬発的な力を発揮する速筋と、持続力に優れた遅筋という2つの筋線維で構成されています。咳やくしゃみをしたときに瞬間的に尿道を締める動きは、主に速筋の働きです。

速筋のトレーニングお尻の穴・腟・尿道をキュッキュッとリズミカルに締める
遅筋のトレーニングお尻の穴・腟・尿道を10秒締めて10秒ゆるめる

腹圧性尿失禁に悩む方は、速筋のトレーニングから始め、慣れてきたら遅筋も鍛えると良いでしょう。

生活習慣の改善

咳で尿漏れしてしまう方は、以下のポイントを参考に生活習慣を見直し、症状の改善を試みてください。

対策詳細
便秘予防
  • 食物繊維・水分を十分にとる
  • 医師の指示に従って便秘薬を使用する
咳の原因を減らす
  • 禁煙する
  • アレルギー対策をする
体重管理をする
  • 量に気をつけてバランスの良い食事をとる
  • 運動習慣をつける
重い荷物の運搬を避ける
  • 荷物を小分けにして軽量化する
  • 台車を利用する
  • 下にある荷物は膝を曲げて持ち上げる

生活習慣の改善により、尿漏れがすぐに良くなるわけではありません。しかし、慢性的な骨盤底筋への負担を減らすことは、尿漏れの悪化予防に有効です。

薬物療法

咳による尿漏れは、薬で対策されることもあります。

日本で腹圧性尿失禁に使われている治療薬は、「クレンブテロール塩酸塩(スピロペント®)」です。β2アドレナリン受容体刺激薬という交感神経を刺激する種類の薬で、尿道の筋肉を収縮させる作用を有します。

一方で、スピロペント®の服用によって筋肉の緊張が高まり、手がふるえるといった副作用が報告されている点に注意が必要です。

膀胱の過剰な収縮を抑える抗コリン薬が一緒に使われることもあります。

腹圧性尿失禁に対する薬物療法は補助的な役割として位置づけられ、骨盤底筋のトレーニング・ケアといった、ほかの対策方法とあわせて取り組むことが大切です。

手術

骨盤底筋トレーニングを続けても十分な効果が見られず、咳・くしゃみによる尿漏れが日常生活に支障をきたしている場合は、手術での対策が検討されます。腹圧性尿失禁の手術は、ポリプロピレン製のテープで尿道を支える方法で、次の2つの術式が代表的です。

術式名詳細
TVT手術
  • 腟からテープを入れ、左右の恥骨の後ろを通して下腹部で固定する
  • 尿道を下からしっかりと支える効果が高い
TOT手術
  • 腟からテープを入れて鼠径部側へ横方向に通す
  • 臓器を損傷するリスクが少ない
  • サポート力が比較的弱いので重度の場合には適さない

手術を受ける場合は2日~1週間ほど入院し、退院後も、固定したテープが安定するまでの6週間は腹圧をかけないように過ごすことが求められます。重い物を持つ仕事やお子さん・お孫さんの抱っこは控えなければならないため、職場や家族との事前調整が必要です。

フェミクッション ハピネスは手軽に骨盤底筋ケアができる

骨盤底筋のゆるみによるトラブルには、フェミクッション ハピネスを使った対策をおすすめします。

フェミクッション ハピネスは、骨盤底筋のゆるみをケアし、骨盤臓器脱を予防するために、老舗の医療機器メーカーが開発した製品です。ショーツの上からはくことで骨盤底を下から支え、咳やくしゃみの際の瞬間的な腹圧によるダメージを受け止めます。

積み重なった骨盤底筋のダメージは、子宮や膀胱・直腸といった骨盤内の臓器が腟から脱出する骨盤臓器脱につながる恐れがあります。病気になる前の早めのケアで、将来のリスクを軽減しましょう。

骨盤底筋のゆるみにお悩みならフェミクッション ハピネスを

骨盤底筋のゆるみや機能低下にお悩みなら、ぜひフェミクッション ハピネスをお試しください。フェミクッション ハピネスは、加齢にともなう体の変化に不安を日々感じながらも、良い対策方法が見つからず悩んでいる方にこそ、手に取っていただきたい製品です。

Ⅰ(60~80cm)・Ⅱ(70~90cm)・Ⅲ(80~100cm)という、お腹まわりの長さに合わせた3サイズをご用意しており、特注も承っております。

オンラインで購入が可能なうえ、下着のようなデザインなので、まわりの人に知られることなくケアを始めたい女性にもぴったりです。

咳やくしゃみで骨盤底筋にかかる負担を和らげるために、ぜひフェミクッション ハピネスをご活用ください。

フェミクッション ハピネスで骨盤底筋のケアをする

この記事の監修医師

永尾 光一

永尾 光一 先生

一般社団法人日本精索静脈瘤協会 理事長
医療法人社団マイクロ会 理事長
銀座リプロ外科 院長

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

この記事の執筆者

三井 桂子

株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役

三井 桂子

株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、三井メディカルジャパンを通じて発売。

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