三井社長についての質問
本日は、三井メディカルジャパンの社長、三井桂子社長にお話を伺います。三井社長は、骨盤臓器脱に悩む女性を支援するため、医療機器「フェミクッション」を開発されました。まずは、三井社長ご自身のことを教えていただけますでしょうか? |
三井 |
はい、よろしくお願いいたします。私は、もともと医療関係の仕事に従事していたわけではありませんでした。3人の子供をハワイで出産し、育児に専念していました。その中で、骨盤底筋ケアの重要性を認識するようになりました。 |
フェミクッション開発経緯
育児を通して、骨盤底筋ケアの重要性に気づかれたのですね。そこから、どのように医療機器開発の道に進まれたのでしょうか? |
三井 |
実は、未熟児で生まれた三男が肺炎を患い、一時は命が危ぶまれたことがありました。幸いにも現代医療のおかげで助かりましたが、その経験を通して医療への恩返しをしたいという気持ちが芽生えました。 それと同時に、多くの女性が出産に伴い骨盤底筋にダメージを受け、尿漏れや骨盤臓器脱などのトラブルを抱えていることを知り、同じ女性として何かできることはないかと考えるようになったのです。 |
そこから、フェミクッションの開発が始まったのですね。開発の過程で、苦労された点はどんなところでしょうか? |
三井 |
開発当初は、骨盤臓器脱に対する理解も低く、情報も限られていました。試行錯誤の繰り返しで、「素材が硬すぎて痛い」「柔らかすぎて抑える力が弱い」など、様々な意見をいただきました。 しかし、諦めずに、40人もの女性に協力いただき、一人ひとりの意見を聞きながら、改良を重ねていきました。 |
三井社長の想い
フェミクッションには、三井社長のどのような想いが込められているのでしょうか? |
三井 |
フェミクッションには、「骨盤臓器脱に悩む女性に寄り添い、笑顔を取り戻してほしい」という私の強い想いが込められています。 医療機器というと、どうしても冷たい、無機質なイメージがありますが、フェミクッションは、女性ならではの視点を取り入れ、普通の下着と変わらない自然な見た目、心地よい肌触り、わかりやすい説明書など、患者さんに優しい医療機器を目指しました。 |
フェミクッションの効果・優位性
フェミクッションは、従来の治療法と比べて、どのような点が優れているのでしょうか? |
三井 |
従来の骨盤臓器脱の治療法は、リングペッサリーと呼ばれる膣内に挿入する器具の装着か、手術しかありませんでした。 リングペッサリーは、感染症や膣粘膜の損傷、性交障害などのリスクがあります。 また、手術は身体的・経済的な負担が大きく、すべての人が選択できるわけではありません。 フェミクッションは、体外に装着するため、感染症や膣粘膜の損傷のリスクが低く、身体への負担も軽いです。 また、患者さん自身で簡単に装着でき、下着のように目立たないデザインなので、日常生活を送りやすいというメリットもあります。 |
フェミクッションは、具体的にどのような仕組みで骨盤臓器脱の症状を予防・改善するのでしょうか? |
三井 |
フェミクッションは、独自に開発したクッション、ホルダー、サポーターの3つの構成品からなります。 クッションを膣口に当ててホルダーで固定し、サポーターで全体をしっかりと支えることで、臓器が体外に脱出するのを防ぎます。 クッションは、柔らかく体に安全なシリコン製で、臓器を優しく受け止めます。 |
フェミクッションは、多くの女性にとって希望の光となる画期的な医療機器ですね。発売から現在に至るまで、どれほどの数の女性に利用されているのでしょうか?また、海外での展開状況についても教えてください。 |
三井 |
フェミクッションは、おかげさまで多くの方にご愛用いただいており、発売以来、40カ国以上で13万人以上の骨盤臓器脱患者さんにご利用いただいています。 日本では、骨盤臓器脱という疾患の認知度がまだ低いのが現状ですが、口コミやメディアでの紹介を通じて、徐々にフェミクッションの認知度も高まってきています。海外では、特にヨーロッパやアメリカで骨盤臓器脱に対する意識が高く、フェミクッションの需要も拡大しています。今後も世界中のより多くの女性にフェミクッションを届けられるよう、尽力して参りたいと思います。 |
海外でも多くの人にご利用頂いているのですね。医療機関でもフェミクッションは採用されているのでしょうか? |
三井 |
はい、現在、北海道から九州まで、幅広い地域の多くの医療機関と提携し、フェミクッションの普及に努めています。 提携医療機関では、医師の診断のもと、フェミクッションを適切に使用できるよう、患者さんへの指導も行っていただいています。 |
専門の医師からも高い評価を得ているようですね。 |
三井 |
ええ、フェミクッションは、多くの専門医から、その安全性と有効性を高く評価いただいています。 例えば、第一東和会病院の竹山先生からは「TVM(骨盤臓器脱メッシュ手術)の術後は再発予防で、フェミクッションを必ず術後3ヶ月使わせてもらうようにしております。」というコメントをいただいたり、東邦大学泌尿器科教授でありリプロダクションセンター長を務める永尾光一先生は、「フェミクッションは、骨盤臓器脱に悩む女性にとって、新たな選択肢となる画期的な医療機器です。体への負担が少なく、患者さん自身で簡単に装着できる点が、特に優れていると思います。」とコメントを寄せてくださっています。 また、日本橋骨盤底診療所の安倍弘和先生をはじめ、多くの医師がフェミクッション外来を開設し、骨盤臓器脱に悩む患者さんの診療に当たっています。 |
今後の展望
今後、どのような展開を予定されていますか? |
三井 |
フェミクッションは、骨盤臓器脱の治療だけでなく、予防にも効果が期待されています。今後は、骨盤底筋のゆるみに悩む女性のための「フェミクッション ハピネス」の提供や、骨盤臓器脱などの特定疾患に関する正しい知識の普及にも力を入れていきたいと考えています。 |
患者さんへのメッセージ
最後に、フェミクッションを利用してくださっているお客様へ、メッセージをお願いします。 |
三井 |
フェミクッションは、骨盤臓器脱の症状を改善し、患者さんが笑顔で毎日を過ごせるようにという願いを込めて開発しました。 これからも、患者さんの声に耳を傾け、より良い製品作りに励んでまいります。フェミクッションが、皆様の生活の質向上に少しでも貢献できれば幸いです。 |