
このページの監修医師
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「ペッサリーを使い始めておりものの色や臭いが変わった気がする」と悩んでいませんか。
閉経後の高齢者は、おりものトラブルが起こりがちです。加齢による変化の場合もありますが、病気のサインであることも疑われます。
本記事では、高齢者のおりものが変化する原因や、セルフケアの方法を詳しく解説します。ペッサリーに頼らずに骨盤臓器脱の不快感を軽減できる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
高齢者のおりものが変化する5つの原因は、以下のとおりです。
・加齢による変化
・骨盤臓器脱に対するペッサリーの影響
・萎縮性腟炎
・感染症
・子宮や卵管の病気
加齢だけが原因ではないため、軽視しないことが大切です。高齢者に起こりやすいおりものの変化と背景にある原因を詳しく解説します。
高齢者に起こるおりものトラブルの原因には、加齢による腟内環境の変化があります。30代以下の若い世代と比べると、高齢者は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量や、デーデルライン桿菌(かんきん)といった善玉菌の数が減少する傾向です。
エストロゲンは腟の粘膜を潤し、外部の雑菌から守る役割を果たします。分泌量が減ると、腟の粘膜が乾燥したり薄くなったりし、自浄作用が低下します。デーデルライン桿菌の減少は、雑菌の繁殖を引き起こします。
加齢によるおりものの変化の代表例は、量の減少です。以下のような変化が見られる場合は、病気の可能性があります。
・量が増える
・白っぽく粘つく
・黄ばんだ色になる
・嫌な臭いがともなう
おりものは腟内の健康状態を示すバロメーターなので、気になる点があれば早めに婦人科で相談しましょう。
子宮脱・膀胱瘤などの骨盤臓器脱の治療でペッサリーを長い期間装着し続けると、以下のようなおりものの変化が見られる場合があります。
・雑菌繁殖によりおりものが増える
・臭いが悪くなる
ペッサリーとは、腟内に挿入して臓器の下降を防止し、骨盤臓器脱を治療する器具です。
異物であるペッサリーを腟内に入れることで、器具が擦れて腟粘膜を刺激して炎症が起こり、おりものが変化する仕組みです。骨盤臓器脱が進行すると、大きめのペッサリーを勧められる傾向があり、器具が腟粘膜の同じところにあたり続け、膣粘膜を傷つけてしまうとともにおりものの変化を招きます。
ペッサリーによるおりものトラブルを避けるには、定期的な受診が必要です。「おりものが変わった」「痛みがある」と感じたときは、自己判断で外したり放置したりせず、早めに受診しましょう。
ペッサリーが合わないなら、別の治療法を検討することがおすすめです。
萎縮性腟炎は、閉経後の高齢者に多く見られる腟の炎症であり、おりものが変化する原因です。女性ホルモンの減少と腟内環境を守る乳酸菌のバランスの乱れが主な原因で起こり、ペッサリーを使用している方も発症しやすいといえます。
炎症を起こすと、おりものは以下のようになります。
色 | 黄色・茶色になる |
---|---|
臭い | 悪くなる |
量 | 明らかに減る |
かゆみや灼熱感、性交痛などの症状も、萎縮性腟炎の特徴です。
萎縮性腟炎の治療にはエストロゲン含有の腟錠や保湿剤などが処方され、早期に対応すれば改善が見込めます。再発予防のためには、腟の保湿ケアや通気性の良い下着の着用、デリケートゾーンの衛生管理が大切です。
高齢者のおりものに変化が見られる場合は、細菌や真菌による感染症も原因の1つとして挙げられます。閉経後は腟内の自浄作用が弱まり、腸や外陰部から入った菌が増殖しやすくなるため、感染リスクが高まります。
以下の病気は、おりものが変化しやすい感染症です。
感染症の種類 | おりものの特徴 |
---|---|
細菌性腟症 |
・灰白色 ・魚が腐ったような臭い |
カンジダ腟炎 |
・白色 ・カッテージチーズ状 |
トリコモナス腟炎 |
・黄緑色 ・悪臭 ・泡立ったような見た目 |
クラミジア子宮頸管炎 |
・黄色 ・量の増加 |
淋菌感染症(淋病) |
・黄色や黄緑色 ・強い臭い ・量の増加 |
いずれも自然に治ることはなく、受診が必要です。カンジダ腟炎は市販薬があるものの、医師の診断・治療を受けたことがある場合にのみ使用できます。
感染症の疑いがある場合は、婦人科で正確な診断と適切な治療を受けましょう。
高齢女性のおりものの変化には、子宮や卵管の病気が隠れていることもあります。注意したい病気は、閉経後に発症しやすい子宮体がんや、子宮頸がんといった悪性腫瘍です。
子宮関連のがんの初期症状として、以下のようなおりものの変化が見られます。
子宮体がん |
・茶色くなる ・血が混ざる ・水っぽくなる |
---|---|
子宮頸がん |
・茶色や黒褐色になる ・臭いが悪くなる ・膿のような見た目・状態になる |
卵管がん |
・量が増える ・水っぽくなる |
婦人科がんの兆候を見逃さないよう、おりものの色や臭いなどの変化に気づいたら、すみやかに受診することが大切です。
高齢者のおりものが変化した際のセルフケアの方法は、以下のとおりです。
・陰部は清潔にし通気性の良い状態を心がける
・腟内を洗いすぎない
日常生活のなかでのささいな工夫で、臭いやかゆみといった不快な症状を軽減できるケースがあります。おりものの変化が気になった際は、ぜひ実践してください。
おりものの変化に気づいたら、陰部を清潔にし、通気性の良い状態に保ちましょう。高齢者は、腟内が乾燥しやすくなり善玉菌が減少しているため、おりものトラブルが起きがちです。
入浴の際に外陰部をぬるま湯でやさしく洗い流し、汗やおりものをしっかり取り除くと、清潔さを保てます。
通気性の悪い下着や締め付けの強い衣類は、陰部が蒸れて雑菌が繁殖しやすいといえます。綿のような素材の通気性が良い下着を選び、おりものシートを使用する場合はこまめに交換することが重要です。
逆効果になる恐れがあるため、おりものの臭いが気になっても腟内まで洗浄しないでください。外陰部の洗浄時にせっけんを用いることも避けましょう。
ビデやシャワーで腟内まで洗ったり、せっけんで外陰部を洗浄したりすると、常在菌による自浄作用が弱まります。高齢者の場合は、粘膜が薄く乾燥しやすいため、強く洗うと腟内を傷つける可能性が高いといえます。
外陰部のみをぬるま湯でやさしく洗い、やわらかいタオルで丁寧に拭くことが大切です。
以下のおりものの状態が見られた場合は、早めに婦人科へ相談しましょう。
・黄緑色や茶色である
・白っぽくポロポロしている
・血が混ざっている
・悪臭が続いている
・水っぽく大量に出る
おりものの変化に加え、外陰部にかゆみや灼熱感があったり、閉経後に性器出血が見られたりするケースにも注意が必要です。
高齢になるとおりものの変化を「年齢のせい」と思い込みがちですが、感染症や子宮の病気のサインかもしれません。骨盤臓器脱の治療のためにペッサリーを使用している場合は、体に合っていない可能性があります。
おりものに異常が見られたときは自己判断せず、早めに婦人科を訪れて受診しましょう。
高齢者におすすめの骨盤臓器脱の治療方法は、フェミクッションの使用です。フェミクッションとは、体内に異物を入れずに骨盤臓器脱の症状を軽減するアイテムで、簡単に購入・使用できる点がメリットの1つです。
一方で、骨盤臓器脱の一般的な治療法には、以下のようなデメリットがあります。
治療法 | デメリット |
---|---|
手術 |
・出血・周辺臓器の損傷・再発などのリスクがある ・体に負担がかかる ・入院が必要なことが多い |
ペッサリー |
・感染のリスクがある ・出血する・おりものが増えることがある |
骨盤底筋体操 |
・誤った方法により症状が悪化する ・効果を感じるまで時間がかかる ・毎日続けることが難しい |
フェミクッションは、体に負担がかからず、感染のリスクが少なく、使用後すぐに効果が出ます。「ペッサリーを使用しているが、違和感やおりものの変化が気になる」という方は、フェミクッションの導入を検討しましょう。
骨盤臓器脱の治療にフェミクッションを取り入れるメリットは、以下の3つです。
1.衛生的に使用できる
2.装着時に違和感や痛みがない
3.骨盤臓器脱の改善効果が高い
フェミクッションは、体にやさしく、骨盤臓器脱の症状に悩んでいる方にとって心強いサポートアイテムです。フェミクッションのメリットについて詳しく解説します。
フェミクッションは洗って繰り返し着用でき、清潔さを保ちやすいことが大きなメリットです。おりものの変化が気になる高齢者にとって、衛生的に使えるかは、骨盤臓器脱の治療法を選ぶ際の重要な判断基準となるでしょう。
ペッサリーは長期間装着すると、おりものが増えることがあります。腟内に器具を挿入するため、より一層衛生面への注意が必要です。
フェミクッションは、日々の生活のなかで簡単に取り外し・洗濯が可能であり、衛生さを維持しやすいといえます。通気性を妨げずに骨盤臓器を支えるため、蒸れや雑菌の繁殖を抑え、デリケートゾーンの環境を整える助けになります。
フェミクッションは、「おりものの量が多くなってきた・臭いが気になる」といった悩みを抱える方との相性が良いアイテムです。
フェミクッションは、下着のようなサポーターを着用し、腟部分を外側からクッションでやさしく支える構造なので、装着時の違和感や痛みがほとんどありません。
ペッサリーの装着では、違和感や痛みをともなうことが多くあります。ペッサリーが腟壁と接触すると粘膜が傷つくため、おりものの異変や悪臭、出血が起こりかねません。
フェミクッションは、やわらかいシリコンが素材に使われており、人の動きにしなやかにフィットします。骨盤臓器脱を治療しながら快適に使用できることが魅力です。
フェミクッションは、骨盤臓器脱に対して高い改善効果を示します。以下は、フェミクッションの使用前後における、(a)膀胱瘤(b)子宮脱(c)腸瘤と直腸瘤(d)完全な外反のMRI画像です。
会陰の下の半球(点線)がフェミクッションです。フェミクッションを装着したほうが脱出臓器を高い位置で支えられ、骨盤臓器脱の症状が改善していることがわかります。
下垂感や腟の違和感が軽減されると、骨盤臓器脱を気にせずに生活でき、活動意欲の向上につながるでしょう。
ペッサリー装着によるおりものの変化を感じる方は、フェミクッションをご活用ください。
フェミクッションは腟の外側から臓器をやさしく支え、おりものトラブルの発生を避けながら骨盤臓器脱を治療できます。ペッサリーが合わなかったり、手術を避けたかったりする場合におすすめの選択肢です。
「仕事や趣味を今までと同様に続けたい」「ペッサリーによるおりものの変化が不安」という方は、フェミクッションを試しましょう。
永尾 光一 先生
銀座リプロ外科 院長
前・東邦大学泌尿器科教授
昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役
三井 桂子
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、三井メディカルジャパンを通じて発売。
スターターキット ライトネット購入限定
まずは試してみたい
という⽅に!
セット内容
・サポーター1枚(ミディベージュサポーター)
・クッション 3個(S・M・L各サイズ1個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※スターターキット ライトをご選択の方はミディベージュサポーターのみとなります。
スターターキット
普段の⽣活でしっかり
使いたい⽅に!
セット内容
・サポーター1枚(次の項目で種類・サイズを選択ください)
・クッション 6個(S・M・L各サイズ2個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※コットンの特注サイズは現在在庫切れです。