このページの監修医師
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フェミクッションは、骨盤臓器脱の症状を緩和する目的で作られた医療機器です。
骨盤臓器脱は「性器脱」「膣脱」とも呼ばれ、本来骨盤の中にある子宮、膀胱、尿道、小腸、直腸などの臓器が、それらを支える骨盤底筋やじん帯が弱くなることで、降りてきて体外へ出てしまう病気です。あまり知られていない病気ですが、成人女性の3人に1人がかかるといわれています。
フェミクッションは、これまでの骨盤臓器脱の治療法とは異なるアプローチで、患者様の症状の改善に役立つ新しい医療機器です。体内に異物を入れることなく、ご自身で簡単に着脱可能で、衛生的にご使用いただけます。
開発の経緯や商品の特徴を、開発者である三井メディカルジャパンの三井桂子が解説します。
目次
自身の3度の出産経験から、産後にダメージを受けやすい骨盤底筋のケアに注目しました。成人女性の3人に1人はかかるといわれる骨盤臓器脱は、加齢や妊娠出産などでダメージを受けやすく、骨盤臓器脱の専門医から悩んでいる女性が数多くいるという話を聞いたからです。
骨盤底筋は、骨盤内にある臓器をハンモックのようにしたから支え、排泄にも重要な役割がある部位です。産後の女性は育児に追われ、出産や妊娠のダメージを放っておくと、尿漏れや骨盤臓器脱などのトラブルが起こりやすくなってしまいます。
骨盤臓器脱になると、排泄時に臓器脱になってしまうので腹圧をかけられず、残尿感に悩んだり、下腹部の違和感や出血などがあって重いものを持ち上げる、自転車に乗る、運動をするといったことが困難になったりするため、通常の日常生活を送ることさえ難しくなってしまいます。
フェミクッションは、そんな骨盤臓器脱で悩む方が快適な日常生活を送れるように開発しました。
骨盤臓器脱は、即命にかかわる病気ではありませんが、一度かかると自然治癒は難しく、根治には手術が必要になります。成人女性の3人に1人はかかるといわれているほど身近な病気ですが、周りに相談できずに悩んでいる女性が多いのです。
フェミクッションは、骨盤臓器脱で悩む患者様にいろいろなご意見をいただきながら開発し、以来多くの方にご利用いただいています。
フェミクッションは、クッション・ホルダー・サポーターの3点を組み合わせて使用します。
体内に異物を入れることなく、膣からの臓器脱をやさしく受け止め支えるのが特徴です。
骨盤臓器脱は、人に相談しにくい、恥ずかしいと思われる患者様も多くいらっしゃいます。医療機器ですが、外観上ほかの方に気づかれにくい、下着のように見えるデザインになるように配慮を重ねました。また、体内に異物を入れることはなく、不快感を改善し、精神的にも、臓器・膣粘膜にも負担がかからない治療方法です。
実際に、フェミクッションを使用されている患者様からは、不快感がなくなった、安心して生活できるようになったという、うれしいお声をいただいています。
フェミクッションを使うと、骨盤臓器脱の症状の進行を防ぐことができ、排尿困難の改善や、家事育児、運動なども安心して快適に行うことができます。
日中はつけたまま生活し、就寝時は外して、自宅で洗って毎日衛生的にご使用いただけます。
骨盤臓器脱の他の保存的治療法として、リングペッサリー(ペッサリー)があります。
リングペッサリーは、リング状またはドーナツ型のペッサリーと呼ばれるものを膣内に挿入し、子宮を下から支えます。個人差はありますが、膣内に異物を挿入するので、痛みや違和感があったり、膣壁びらん(ただれ)や出血などの症状が出たりする場合があります。また、2~3か月に一度病院で外して洗浄し膣内に戻すために、定期的な通院が必要です。
一方、フェミクッションは、膣内に挿入することなく、クッション・ホルダー・サポーターの3点を一緒に使用することで、膣口で臓器をしっかりと受け止め骨盤内に保持します。骨盤臓器脱は、平面では受け止められません。違和感のない特殊なクッションでしっかり臓器を受け止め、適度な反発があるため膣内に入り込んでしまう心配もありません。また、ご自分で装着ができ、毎日ご自宅で洗濯して衛生的に使用を続けることができます。
このように、従来の緩和ケア方法であるリングペッサリーとは違い、フェミクッションは体内に挿入したり、留意して使用したりするものではないので、
・痛みや出血があり、リングペッサリーが適さない方
・体内に異物を入れることを希望しない方
・手術待ちのためリングペッサリーを外す方
・手術が受けられない方
・手術はしたくない方
・通院が難しい方
でも安心してご使用いただけます。
フェミクッションは、クッション・ホルダー・サポーターの3点を一緒にお使いただくことで効果を発揮しますので、まずこの3点が入ったスターターキットをご購入いただきます。
クッションは、身体に害のないシリコンゴム100%でできています。適度な弾力で臓器を下からやさしく受け止めて、臓器を体内に保持します。
表面のシリコンゴムが適度にへこみ、臓器をやさしく受け止め、一番下の層によって体内に保持することができる三層構造です。クッションは、3種類のサイズのものをご用意しています。骨盤臓器脱の症状の変化に応じて、サイズを変更してご使用ください。
クッションは、ホルダーにセットして使用します。このホルダーがクッションをしっかりと固定するとともに、尿漏れやおりものを吸収し、衛生的に使うことができる仕様です。そしてクッションをセットした状態でホルダーをサポーターに固定します。
サポーターは、ショーツのような形状で、股の部分に面ファスナーにホルダーを付けて使用します。サポーターは、横のベルトを支軸にして縦のベルトで吊り上げるので、腹圧をかけることなく、継続的に定位置にクッションを固定して使用できます。
サポーターは、腰回りのサイズで選定してご購入いただけます。腰骨の上または下から引っ張ってもずれてこない部分のサイズを図ってお選びください。
▼サポーターの種類比較表
ミディー | らくらく | ジッパー | |
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特徴 |
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生地 | (スパンデックス) ナイロン:86% ポリウレタン:14% |
(スパンデックス) ナイロン:86% ポリウレタン:14% |
(コットン) コットン:70% ポリウレタン:30% |
丈の長さ | ローカット | ローカット | 2分丈 |
こういう方におすすめ |
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▼サポーターのサイズ選定
サイズ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | おへそ周り(cm) | 60~80 | 70~90 | 80~100 |
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使い始めは、寝た状態で装着するのがおすすめです。仰向けに寝た状態で、両ひざを立てて少し足を開き、膣口を少し開いてもう一方の手でクッションをあてます。閉経後や膣に潤いがない場合は、市販のゼリーやベビーオイルをすこし垂らして使うと、摩擦を軽減できます。
そのままサポーターを履き、立ち上がってベルトの調整を行います。腰骨で支えられるところに横ベルトの位置を決めます。次に縦のベルトで長さを調整し、クッションを上から引っ張って固定します。サポーターについているベルトは、複圧がかかっても伸びないので、クッションを定位置にしっかり固定できます。
装着のポイントは
・臓器を体内に戻した状態(還納)で装着する
・横のベルトを調整してから、縦のベルトをぐっと持ち上げる
ことです。
これらを正確に行えば、どんな動作を行ってもクッションで確実に臓器を体内に保持できます。クッションは適度のへこみと弾力があるので、膣口を広げてしまうこともありません。
骨盤臓器脱の治療には、ウォーキングも最適です。フェミクッションを使用すると、安心してウォーキングや運動もできますので、骨盤底筋が鍛えられ、症状が改善される傾向があります。症状が改善されてきたら、クッションの使用サイズも小さくしていくことができます。
万が一、排泄後に臓器が出てしまったら、指の腹で臓器を持ち上げ優しく膣内に戻したうえで(還納)フェミクッションを使用してください。
また、フェミクッションを使用しているときはかぶれやすいので、軟膏を処方してもらうなどし、上手に利用してください。
お手入れは、股の面ファスナーにもう一方の面ファスナーを付けて、手洗いをおすすめしています。ホルダーと一緒に洗濯ネットに入れて、洗濯機でのお洗濯も可能です。軽く脱水してから干してください。クッションは洗浄栓を使用し洗剤を軽く洗いぬるま湯ですすぎます。
特に違和感がない場合は、装着したまま自転車に乗ることが可能です。もし、違和感がある場合は、クッションのみ外し、目的地に着いたらトイレなどでホルダーに戻すことでご使用いただけます。
介助者の方に使用方法をご理解いただければ、問題なく使用できます。
フェミクッションは、保険適用の対象外です。医療機器の中でもクラス1の分類となり、患者様の自費負担となりますが、ドラックストアなどで購入可能なため、手軽に使い始めることができます。また保険の適用外ですが、医療機器ですので医療費控除の対象となります。
腰ベルトを外してサポーターを下げると、普段の下着と同じようにすべて一緒におろすことができます。排泄中に臓器脱が起こってしまった場合は、手で骨盤内に収めてから、再度フェミクッションをあてましょう。
生理中でも使用可能です。ナプキンのように使える、使い捨てホルダーがおすすめです。またクッション部分は、お手洗いの度に水洗いすることで、衛生的にご使用いただけます。
フェミクッションは、骨盤臓器脱の症状の改善を目的として開発した医療機器。膣内に異物を挿入せず、外部から臓器を押し上げて支える、精神的にも身体的にも負担の少ないやさしい治療方法です。
フェミクッションを使うことで、臓器が体内に保持されるので、出血や痛み、違和感といった症状の緩和に役立ちます。この商品が、骨盤臓器脱で悩む患者様の快適な日常生活の一助となることを願っております。
永尾 光一 先生
東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長
昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。
所属医療機関
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役
三井 桂子
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、三井メディカルジャパンを通じて発売。
スターターキット ライトネット購入限定
まずは試してみたい
という⽅に!
セット内容
・サポーター1枚(ミディベージュサポーター)
・クッション 3個(S・M・L各サイズ1個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※スターターキット ライトをご選択の方はミディベージュサポーターのみとなります。
スターターキット
普段の⽣活でしっかり
使いたい⽅に!
セット内容
・サポーター1枚(次の項目で種類・サイズを選択ください)
・クッション 6個(S・M・L各サイズ2個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※コットンの特注サイズは現在在庫切れです。