
このページの監修医師
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「重いものを持つとお腹が痛い」と、不安を感じながら仕事をしていませんか。腹圧が原因で痛みが出るケースのうち、女性に多い病気が骨盤臓器脱です。
本記事では、重いものを持つ仕事と骨盤臓器脱の関係と、痛みを軽減させるための対処法を詳しく解説します。痛みの進行が不安で好きな仕事を諦めてしまう前に、ぜひお読みください。
目次
重いものを持つとお腹が痛くなる3つのケースを紹介します。
1.鼠径ヘルニア
2.妊娠中
3.骨盤臓器脱
鼠径ヘルニアは男性に多く、腟から臓器が下垂する骨盤臓器脱は女性特有の病気です。3つのケースについて確認し、自分にとってリスクの高い疾患を知りましょう。
原因に関係なく痛みの発生は、体への負担が多少なりともかかっている証拠なので、重いものを持つ習慣の見直しも大切です。
鼠径ヘルニアを患っている人は、重いものを持つとお腹が痛くなることがあります。
鼠径部(足の付け根あたり)には、鼠径管(そけいかん)という通路があります。加齢や筋力低下などで筋膜が弱まって鼠径管の入口がゆるみ、腸の一部が入り込んだ状態が鼠径ヘルニアです。
重いものを持ち上げると、腹圧が急上昇して腸が飛び出しやすくなります。臓器が飛び出すことで神経や周囲の組織が圧迫されると、鼠径部や下腹部に痛みが生じるでしょう。
軽度のうちは、横になったりお腹の膨らみを手で押したりすると、外見上は気にならなくなります。しかし、飛び出した臓器が筋肉に締め付けられて戻らなくなった「嵌頓(かんとん)」の状態になると、脱出部分の血流が途絶えて壊死してしまう恐れがあります。
鼠径ヘルニアは自然には治らないため、基本的には手術が必要です。嵌頓の状態になってしまう前に受診することを推奨します。
重いものを持つとお腹が痛くなるケースの1つが妊娠中です。
妊娠中はホルモンの影響で靭帯がゆるみ、骨盤の支持力が低下します。妊娠の週数が進み、お腹の中で赤ちゃんが大きくなると、内臓や筋肉・靭帯に負担がかかった状態になるでしょう。
妊婦が重いものを持って腹圧を高めることで、すでに負担のかかっている筋肉や靭帯にさらなるダメージが加わり、下腹部や骨盤周辺に痛みが出やすくなります。
重いものを持ったときの腹痛が、急な動作により起こりやすい、「円靭帯痛(えんじんたいつう)」と呼ばれる妊婦特有の痛みの場合もあります。
妊娠中のお腹の痛みを避けるためのポイントは、以下のとおりです。
・重いものをなるべく持たない
・痛みを感じたら安静にする
・楽な姿勢でいる
切迫流産・早産のサインではないかの鑑別も重要なため、痛みが続く・強まる場合は産科へ相談しましょう。
「重いものを持つとお腹が痛い」という症状が出現する病気の1つが、骨盤臓器脱です。
骨盤臓器脱とは、子宮や膀胱・直腸などの臓器が下垂して腟から体の外に出てしまう状態です。多くは出産や加齢、閉経後のホルモン低下などで、骨盤内の臓器を支える筋肉が弱くなって起こります。
重いものを持つと腹圧がかかり、下がりかけている臓器がさらに押し下げられ、下腹部や腟の圧迫感や痛みを感じやすくなります。骨盤臓器脱による下腹部の痛みは、朝起きたときよりも日中の活動で腹圧がかかり続けた夕方に強くなることが特徴です。
骨盤臓器脱は、女性の約3~4人に1人がかかるとされている発症率の高い病気ですが、認知度が低く、恥ずかしさから受診していない方が多いことが現状です。
「日常的に重いものを持つ仕事に就いている女性は、骨盤臓器脱を発症するリスクが高い」という点について解説します。以下のような職業の方は、日常的に腹圧をかけている可能性があります。
・患者さんの体を支えたり搬送したりする看護・介護の仕事
・清掃業・引越業といった重労働
骨盤臓器脱は閉経後の中高年層に多く見られますが、若い方や働き盛りの世代にもリスクは存在するため、女性であれば誰もが知っておきたい病気です。重労働以外の発症原因・症状についても知り、骨盤臓器脱に関する理解を深めましょう。
重いものを持つ仕事の女性の骨盤臓器脱リスクが高い理由を解説します。
1.重いものを持つときに腹圧が強くかかる
2.腹圧上昇が骨盤底への負担になる
3.腹圧上昇を繰り返すことで骨盤底の組織が損傷・疲労する
4.慢性的な負担により骨盤臓器脱リスクが高まる
骨盤底は、骨盤の底にある筋肉や靭帯などで構成される組織です。骨盤内の臓器(子宮・膀胱・直腸など)を下から支え、排泄や生殖の機能をサポートする重要な役割を担っています。
骨盤臓器脱は初期段階では自覚症状がない場合が多いので、気付かないうちに症状が悪化してしまいかねません。
骨盤臓器脱は、重いものを持つ以外にも以下のような原因で発症します。
原因 | 詳細 |
---|---|
出産 |
以下のケースで特にリスクが高まる ・経腟分娩の回数が多い ・難産の経験がある ・大きな赤ちゃんを出産した |
加齢・閉経 | 女性ホルモンの低下で筋肉・靭帯が弱くなる |
腹圧がかかりやすい疾患・体質 |
・慢性的な咳(喘息・喫煙) ・慢性的なくしゃみ(アレルギー性鼻炎) ・便秘 ・肥満 |
遺伝 | 生まれつき筋肉や靭帯が弱い |
骨盤手術歴 | 子宮摘出後に腟の断端が腟から出てくることがある |
重いものを持つことは骨盤臓器脱の引き金の1つであり、いくつかの要因が重なるとより発症しやすくなります。出産や閉経で骨盤底が弱っている人が重いものを持つ作業を続ければ、骨盤臓器脱の発症リスクはさらに高まるでしょう。
骨盤臓器脱で見られる症状は、以下のとおりです。
初期 |
・腟に何かが下がってきたような異物感 ・陰部に丸いものが触れる感覚 ・お腹が下に引っ張られるような感覚 ・下腹部・陰部の圧迫感 |
---|---|
進行時 |
・腟からの臓器脱出 ・頻尿・尿漏れ・残尿感・排尿困難 ・便秘・排便困難 ・性交痛 ・臓器と下着が擦れることによる出血・歩行困難 |
初期の場合は、入浴時や腹圧がかかったとき、夕方から夜にのみ症状が出ます。骨盤臓器脱の症状が進行するにつれ、骨盤内の臓器が腟から飛び出している状態になります。
放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたすため、早期の発見・対策が重要です。
骨盤臓器脱が原因で、重いものを持つとお腹が痛い場合の対処法を紹介します。
・重いものをできる限り持たない
・適切な姿勢で荷物を持つ
・骨盤底筋群を鍛える
・フェミクッションを使用する
・手術を受ける
骨盤臓器脱は、突然重度の状態になることはなく、徐々に進行していく疾患です。突出した臓器を自然に元に戻すことは困難で、重症化すると手術が必要となる場合もあります。
骨盤臓器脱の悪化を防ぐには、できる限り重いものを持たないことが大切です。
重いものを持ち上げる習慣を続けている限り、腹圧による骨盤底への負担が蓄積されて骨盤内の臓器が下に押し出されやすくなります。お腹の痛みも悪化してしまうでしょう。
以下のポイントを参考に、お腹に負担をかけないよう注意してください。
・できる限り小分けにする
・複数の荷物を一度に運ばず何回かに分ける
・軽くしてから持つ
・チームで分担する
重いものを持つ職業に就いている限り、まったく持たないことは難しいかもしれません。しかし、将来の骨盤臓器脱進行のリスクを考え、負担を減らす工夫を取り入れることを推奨します。
どうしても重いものを持たなければならない場合は、正しい姿勢で腹圧を抑制しましょう。重い荷物を持ち上げるときのポイントは、以下のとおりです。
・膝をしっかりと曲げて腰ではなく脚で持ち上げる
・体を前かがみにしない
・胸の高さで荷物を持つ
・自然な呼吸を意識する
膝を曲げずに腰から前屈して重いものを持ち上げると、腹圧が過度にかかるため気をつけてください。重いものを運ぶときに理想的な姿勢を保つために、日頃から体幹を鍛えておくと良いでしょう。
骨盤底筋群のトレーニングも、骨盤臓器脱の対処法の1つです。
骨盤臓器脱は、重いものを持つことや咳などにより慢性的な腹圧がかかり、骨盤内の臓器を支える骨盤底筋群が傷つきゆるんで起こります。トレーニングによって骨盤底の支持力を上げることは有効な方法です。
ケーゲル体操とも呼ばれる、骨盤底筋トレーニングの例を紹介します。
1.肛門・腟・尿道をキュッと締めて5秒キープする
2.ゆっくりとゆるめて5秒休む
10回を1セットとし、1日に5~10セットを目安に毎日続けましょう。お腹やお尻の筋肉ではなく、骨盤の奥を意識することがポイントです。
呼吸を止めないよう心がけつつ、仰向け・椅子に座る・立位といったさまざまな姿勢で骨盤底筋群を鍛えてください。
骨盤臓器脱の対処法として、フェミクッションの活用があります。
フェミクッションとは、臓器を体内に戻した状態で使用して腟口を押さえ、骨盤臓器脱の症状改善を目指す医療機器です。患者さん自身でできる治療法で、重いものを持ったときの腹圧による臓器脱出も防げます。
フェミクッションは、子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・小腸瘤など、あらゆる種類の骨盤臓器脱に対応しており、下着と同じ感覚で着用できます。
クッション表面に使用されている素材はシリコーン100%でアレルギーの心配が少なく、毎回洗えて清潔に保てる点も大きなメリットです。フェミクッションの装着継続により、外しているときにも臓器が下垂しにくくなる効果が期待できます。
重度の骨盤臓器脱であり、筋トレや動作の改善で効果が得られない場合は、手術での治療も選択肢となります。骨盤臓器脱に対する手術の例は、以下のとおりです。
術式 | 概要 |
---|---|
腟式子宮全摘 + 腟断端固定 + 腟壁形成 |
・子宮を摘出して自身の組織で骨盤底を補強する ・再発率がやや高い |
経腟メッシュ手術 (TVM手術) |
腟から挿入したメッシュで臓器を支える |
腹腔鏡下仙骨腟固定術 (LSC) |
1.腹腔鏡を用いてメッシュを挿入する 2.仙骨の前の靭帯に固定して引き上げる |
腟閉鎖術 | 腟を閉鎖して臓器が下垂しないようにする |
術式によっては、術後に性交渉や出産、子宮がん検診ができなくなるため、ライフステージに合った選択が必要です。
骨盤臓器脱治療の選択肢として、フェミクッションをおすすめするケースと、臨床試験データに基づいた有効性について解説します。
フェミクッションは医師の処方なしで購入が可能で、装着してすぐに症状の改善が期待できます。重いものを持つ仕事による骨盤底への負担を早急に軽減したい方は、ぜひチェックしてください。
フェミクッションは、以下のような方に特におすすめです。
・定期的に通院できない
・体に不自由さがある
・認知症である
・体に異物を入れたくない
・合併症や家庭の事情で手術が難しい
・手術に不安がある
・近くに骨盤臓器脱の専門医がいない
フェミクッションの使用に年齢制限はありません。
身体的・認知的な理由で自分での装着が難しい場合でも、介助者が1人いれば着脱が可能です。ペッサリーのような異物を体に入れることや手術が怖い方も、フェミクッションなら、クッションを腟口に当ててサポーターを履くだけなので取り入れやすいでしょう。
フェミクッションは、臨床試験において全種類の骨盤臓器脱に対する効果が証明されました。以下は、骨盤臓器脱患者さんのフェミクッション使用前と、1か月装着したあとの骨盤のMRI画像です。
黄色い点線の半円がフェミクッションです。いずれの臓器が脱出したケースでも、装着後には高い位置に戻っていることがわかります。
手術は体を傷つけなくてはならず、ペッサリーは腟のびらんや出血といった合併症のリスクがともないます。体に負担をかけずに高い治療効果が期待できることは、フェミクッションの大きなメリットです。
骨盤臓器脱が起こっており、「重いものを持つとお腹が痛い」とお悩みの方には、フェミクッションの利用をおすすめします。クッションで脱出した臓器を押さえ、ベルトでしっかりと吊り上げることで、腹圧がかかったときに内臓が押し下げられることを防ぎます。
購入は医師の処方がなくてもできますが、医療機関でフェミクッションの紹介を受けられる場合もあり、専門医による指導のもとで取り入れることも可能です。
「骨盤臓器脱が起きていても今の仕事を続けたい」とお考えなら、ぜひフェミクッションのご利用をご検討ください。
永尾 光一 先生
東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長
昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。
所属医療機関
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役
三井 桂子
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、三井メディカルジャパンを通じて発売。
スターターキット ライトネット購入限定
まずは試してみたい
という⽅に!
セット内容
・サポーター1枚(ミディベージュサポーター)
・クッション 3個(S・M・L各サイズ1個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※スターターキット ライトをご選択の方はミディベージュサポーターのみとなります。
スターターキット
普段の⽣活でしっかり
使いたい⽅に!
セット内容
・サポーター1枚(次の項目で種類・サイズを選択ください)
・クッション 6個(S・M・L各サイズ2個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※コットンの特注サイズは現在在庫切れです。