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子宮・膀胱が下がる感覚がして違和感…疑うべき病気とは?

こんな症状がある・・もしかしたら「子宮脱・膀胱脱(骨盤臓器脱)」かも

「下腹部に違和感がる」、「お風呂で股を洗っていると何かが当たる、尿意をもよおしてトイレに行ってもすっきりしない・排尿できない」、「立つとお腹の中で何かが下がって、座ると中に収まる感じがして気持ち悪い」、「午前中は何ともないが、午後になると不快感がある」、これらの症状のある方は骨盤臓器脱の可能性があります。
 
初期の段階では、生活への支障もそれ程はありませんが、進行させてしまうと、痛みや出血のため歩行困難になるなど、生活の質を著しく低下させてしまう病気です。

子宮脱・膀胱脱とは?

子宮や膀胱は、通常骨盤の一番下の筋肉に支えられ、骨盤内に収まっています。しかし、出産や肥満、加齢などで、骨盤底筋の支持組織が弱まり、臓器が膣から下垂し、脱出するものを骨盤臓器脱といい、中でも、子宮が下がる場合は「子宮脱」、膀胱が膣から膣壁ごと脱出するものを膀胱瘤と言われています。

子宮・膀胱が下がる感じがする原因

女性は、赤ちゃんを産むための生殖裂肛(膣)があります。膣の上に蓋をするように子宮が位置しているのですが、婦人科癌などで子宮を摘出してしまうと、それを支えている靭帯も損傷し、更には子宮があったところが空洞になってしまうため、その空洞めがけて膀胱などの周辺臓器が落ち込んできます。

▲子宮脱が発生しているときの子宮のようす

 
子宮脱の方で、下腹部が痛いと訴え内科に駆け込む方が多いのも、子宮が下がることにより、靭帯が引っ張ら痛みとして現れるからです。
また、その後ろには、膀胱や直腸などの臓器があるため、それら複数の臓器が下垂している場合もあります。
子宮が外に出ていると、下着に擦れたり、歩行時に内ももと摩擦がおき、痛みや出血が出現します。

▲膀胱脱が発生している際の膀胱のようす

 
膀胱瘤に関しても、骨盤底の支持組織が緩むことで起こります。膀胱が膣の壁を押し、膣から膣壁ごと落ち込んできます。

膀胱に溜まった尿は、尿道を通って排泄されますが、膀胱瘤になると、尿道を支えている筋肉も緩み尿失禁を併発します。また、膀胱瘤が進行すると、尿道も折れ曲がり、尿意をもよおしても排尿がしずらくなり排尿困難となります。
この様な状況では、常に膀胱に尿が溜まった状態となってしまうため、歩行時にビシャッ、ビシャッとおしっこが出てしまいます。
また、膀胱瘤も子宮脱同様、下着に擦れたり、歩行時に内ももと摩擦がおき、痛みや出血が出現します。

子宮脱・膀胱脱の治療方法

子宮脱の治療も、膀胱瘤の治療も、根治治療は手術となります。温存療法としては、リングペッサリーの装着、フェミクッションの装着などです。
しかし、リングペッサリーを装着していると、感染や合併症のリスクも高く、そうなってしまうと直ぐに外さなくてはなりません。また、手術となった場合、痛んだ膣のまま手術は行えないので、リングペッサリーを外し、1~2ヵ月様子を見る必要があります。
その間、フェミクッションを使用することにより、膣の状態の改善を改善します。リングペッサリーによるぴらんについても、この間フェミクッションを使用することにより改善が見られます。その他、フェミクッションは、排尿や排便の状態の改善にも繋がります。
術後の再発予防に、退院時からフェミクッションを使用する医療機関も増えています。
 
詳しくは下記の関連ページもご覧ください。
骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱脱など)とは?
フェミクッション(骨盤臓器脱のための医療機器)

よくある質問

Q:50歳以上になると子宮脱になりやすい理由って?

A:閉経すると女性ホルモンが低下し、骨盤臓器の支持組織が加齢とともに弱くることによって起こります。

Q:産後に子宮脱にならないための予防法ってあるの?

A:手軽にできるのは「骨盤底筋運動(体操)」です。運動を発見したケーゲル博士に由来し「ゲーゲル体操」とも呼ばれています。骨盤底筋体操は、寝ながら、椅子に座って、立ったままなど様々な体勢で行うことが出来ます。
詳しくは「骨盤臓器脱を予防する方法とは?手術なし・病院なしでも続けたい」をご覧ください。

Q:産後すぐに運動は難しい!ほかの予防法はある?

A:産後に骨盤臓器脱の症状が現れた場合は、フェミクッションの使用をオススメします。フェミクッションは、子宮脱や膀胱瘤など、骨盤臓器脱の治療と予防を目的とした医療機器です。子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、小腸瘤などすべての骨盤臓器脱にお使いいただけます。
詳しくは「フェミクッションの使い方」をご覧ください。

Q:産後に子宮脱になったらどうすればいいの?

A:フェミクッションを使用しながら、骨盤底筋体操をすることが、症状を進行させず、日ごろの生活を難なく送る近道です。骨盤臓器脱(子宮脱)の根治治療は手術になります。手術にはいくつかの方法があり、患者様の症状や年齢、体力などから、適切な手術方法を医師が判断します。

この記事の監修医師

東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
(泌尿器科)センター長

永尾 光一 先生

昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域(主に陰茎・陰嚢)の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、男性不妊症をはじめとする様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。

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