
このページの監修医師
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骨盤臓器脱は、日本ではその名前はあまり知られていませんが、女性であれば誰しもがかかる可能性があります。特に、1回以上の経腟分娩を経験した閉経後の女性はリスクが高くなります。ここでは、骨盤臓器脱を予防する方法、また、骨盤臓器脱「気味」の方におすすめの対処法などをご紹介します。
骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤など)とは、膣のヘルニアなどとも呼ばれ、子宮・膀胱・尿道・小腸・直腸などが、女性器(膣)に下垂し膣外に出てきてしまう病気です。出てくる臓器によって、子宮脱・膀胱瘤・尿道瘤・小腸瘤・直腸瘤と呼ばれていて骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤など)とはその総称です。それらを総称して骨盤臓器脱といいます。
骨盤内臓器は、骨盤底筋群と呼ばれる筋肉や靭帯が支えています。骨盤臓器脱は、さまざまな要因により骨盤底筋の損傷が起こる事で、症状を引き起こします。
主に以下のような原因が考えられます。
この中でもとくに「妊娠と出産」は、大きなリスクとして考えられます。妊娠・出産の中でも、以下に当てはまる方は高リスクとして考えられます。
上記に心当たりがあるような方は、症状が出る前から予防をしておくことで、症状が出るのを遅らせたり、症状を軽くすることができます。
さまざまな予防法がありますが、手軽にできるのは「骨盤底筋運動(体操)」です。運動を発見したケーゲル博士に由来し「ゲーゲル体操」とも呼ばれています。
骨盤底筋体操は、寝ながら、椅子に座って、立ったままなど様々な体勢で行うことが出来ます。
寝ている状態:仰向けに寝て、足を肩幅に開き、膝を少し立てる
椅子に座る状態:椅子に浅く腰掛ける
立っている状態:つま先立ちになる
日常生活でも骨盤底筋を鍛えたり、負担を掛けないようにすれば、予防することは可能です。以下のようなことに気をつけましょう。
骨盤臓器脱の予防につながる、日常生活で気をつけるべきことを300文字程度で記載ください。
少しだけ違和感を感じる、座ったときやトイレのときにいつもとは違う感覚がある、といった、手術をするまでではないけれど、少しだけ気になる、という方でも、そのままにしていると症状が悪化してしまう可能性もあります。
自分で治す・症状を緩和する方法は色々あるので、ご自分にあった方法をぜひ試してみてください。
詳しくは「子宮脱、自分で治すことは可能?」の記事をご覧ください。
自分で治す方法の中には、なかなか効果につながらないものも多く存在します(詳しくは「子宮脱、自分で治すことは可能?」内の「フェミクッション以外の治療法について」をご覧ください)。そのため、女性医療研究所では「フェミクッションの着用による治療」をおすすめしています。自分で着用でき、履くだけで症状を緩和することができます。
永尾 光一 先生
東邦大学 医学部教授(泌尿器科学講座)
東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター
東邦大学医療センター大森病院 尿路再建(泌尿器科・形成外科)センター長
昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。
所属医療機関
株式会社女性医療研究所 代表取締役
三井 桂子
株式会社女性医療研究所 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、女性医療研究所を通じて発売。