このページの監修医師
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「がん治療後のむくみには、弾性ストッキングを使ったほうが良いの?」とお悩みではありませんか。
弾性ストッキングは、脚のだるさやリンパ浮腫・下肢静脈瘤などによるむくみに有効です。しかし、年とともに力が弱くなったり関節が変形したりして、着用を困難に感じている高齢者の方は少なくありません。
本記事では、弾性ストッキングの着用がおすすめの人や、高齢者が商品を選ぶ際のポイントを解説します。履きやすさを追求した医療用の弾性ストッキングも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
医療用の弾性ストッキングは、むくみやリンパ浮腫・下肢静脈瘤の治療に用いられ、血液やリンパ液の流れを促す効果が見込めます。足首あたりの圧迫圧が最も強く、上方に向かって少しずつ弱まるように設計されており、外部からの圧力で体内の循環を効率的に促します。
医療用の弾性ストッキングは市販されている着圧ソックスに比べると、圧迫圧やサイズが多様なため、症状に合った製品を選びやすい点がメリットです。
購入は、病院や薬局、医療機器販売の会社などでできます。医師の指示書があれば公的保険が適用となり、自己負担額を抑えられます。
高齢者に弾性ストッキングが有効な理由は、身体的な衰えを補う効果が期待できるからです。
年齢を重ねると、活動量の減少により筋肉量が少なくなり、ふくらはぎの筋ポンプ作用が働きにくくなります。血管の弾力性や静脈弁の機能も低下する傾向があり、がん治療後のリンパ浮腫は高齢であるほど起こりやすいとする研究結果も存在します。
弾性ストッキングを着用すれば、血液・リンパ液の流れが改善され、むくみやだるさの軽減が望めるでしょう。
以下のような高齢者の方には、弾性ストッキングの着用をおすすめします。
それぞれについて詳しく解説するので、弾性ストッキングの導入を検討するきっかけにしてください。
脚にむくみやだるさがある高齢者は、弾性ストッキングを着用することで症状の改善が望めます。高齢になると、筋肉量の減少や運動不足、心肺機能の低下などにより、脚のむくみ・だるさを感じやすくなります。
症状が悪化すると歩行が困難になり、転倒リスクが高まる恐れもあり、大変危険です。転倒して動けない状態が続くと、寝たきりや認知症になるリスクも上がるため、早期に対処してください。
むくみのなかには、大きな病気が隠れているケースもあります。「年齢のせい」と自己判断で放置せずに、医療機関でしっかりと原因を調べることが重要です。
弾性ストッキングは、同じ姿勢で過ごすことが多い高齢者にも適した医療機器です。
加齢にともなう体力の低下や膝・腰の痛みなどにより、活動量が減少する方は少なくありません。「体がつらいから」と家で座ってばかりいると、血液やリンパ液の循環が滞るでしょう。
手術後の安静期で寝たきりの状態は、深部静脈血栓症を発症するリスクが高まります。深部静脈血栓症でできた血栓が肺に飛ぶと、肺塞栓症という命に関わる重大な病気を引き起こす恐れがあるため、対策が必要です。
動けない間は弾性ストッキングで脚を圧迫することで、深部静脈血栓症のリスクを下げられます。
下肢静脈瘤がある場合は、弾性ストッキングを着用して血流を良くすれば、症状を緩和する効果が期待できます。
下肢静脈瘤とは、静脈にある逆流防止弁が働かず、血液の逆流・滞留が起こって血管がこぶ状になり、皮膚の表面に浮き出てくる疾患です。
膝下に見られることが多く、ボコボコと血管が浮き出るといった見た目の変化のほか、むくみやこむら返りが出現します。重症化すると、色素沈着・潰瘍が起こる場合もあります。
弾性ストッキングの着用は下肢静脈瘤の根治治療ではないものの、血液の逆流・滞留を防ぐ方法として有効です。
リンパ浮腫でお悩みの高齢者には、履きやすい弾性ストッキングでの治療が欠かせません。
組織の不要な水分や老廃物を回収する役割を担うリンパ節・リンパ管が損傷・閉塞し、リンパ液の流れが滞り、むくみが生じる状態をリンパ浮腫と呼びます。

リンパ浮腫の主な原因は、以下のとおりです。
弾性ストッキングで外部から圧力を加えると、リンパ液の流れが改善され、むくみの解消に役立ちます。脚を良い状態に保てれば、蜂窩織炎のような重篤な合併症や、症状の悪化の予防も見込めます。
弾性ストッキングの着用は、軽度の段階から症状が進行した状態まで、リンパ浮腫治療の中心となる方法です。
弾性ストッキングの着用に注意が必要なケースは、以下のとおりです。
弾性ストッキングを検討する前に、自身が着用に適しているかどうかチェックしてください。不安な点があれば、自己判断はせず医師に相談しましょう。
弾性ストッキングの着用を慎重に検討しなければならない疾患は、以下のとおりです。
| 疾患 | 弾性ストッキング着用のリスク |
|---|---|
| 重度の動脈血行障害 | 圧迫により血管の狭窄部が閉塞する |
| うっ血性心不全 | 血流改善により心臓への負担が増大する |
| 急性期の深部静脈血栓症 | 血栓が血流によって運ばれて肺塞栓症を発症する |
| 糖尿病 | 神経障害があるケースでは皮膚トラブルに気づきにくい |
深部静脈血栓症の急性期では肺塞栓症の予防を優先し、状態が落ち着いてから再発を防ぐために弾性ストッキングを着用することが一般的です。糖尿病の方が着用する際は、定期的に皮膚の状態を観察し、異変がないかを確認してください。
疾患を持っていても弾性ストッキングの着用が推奨される場合もあるため、医師の指示を仰ぐことが大切です。
以下のような皮膚の状態が良くない方も、弾性ストッキングの着用には注意が必要です。
すでに脚に皮膚トラブルを抱えている場合は、さらに悪化する恐れがあります。皮膚が刺激に敏感で、かぶれや発疹が現れやすい方も、十分な配慮が求められます。
弾性ストッキングを着用するときは、皮膚の状態を整えるためのスキンケアを念入りに行いましょう。肌に負担がかからないよう、食い込みやしわ・めくれなどに気をつけて履くことも肝心です。
少しでも異常を感じたら、すみやかに医療機関で受診してください。
高齢者が弾性ストッキングを選ぶ際のポイントを、以下の3点に着目して解説します。
弾性ストッキング着用のより高い効果を得たいなら、さまざまな要素を踏まえたうえで選ぶことが大切です。
高齢者のなかには弾性ストッキングの着用を困難に感じる方もいるため、履きやすさは、商品選びにおける重要なポイントです。
年齢を重ねると指先に力が入らなかったり、関節の痛みやこわばりがあったりする方もいます。治療のための圧迫圧がしっかりとした商品は、伸縮性が乏しく、自身での装着が難しい場合も多いでしょう。
やむを得ず、治療に必要な圧迫圧より弱い着圧の弾性ストッキングを処方される場合もあります。
ストレスなく着用するためには、自分で履けることだけでなく快適な装着感も必要です。蒸れを気にせず1日中履けるような商品を選べば、継続した着用が可能になり、健康維持に役立ちます。
高齢者の弾性ストッキング購入では、自分に合ったサイズ・圧迫圧を選択すると、効果を得やすくなります。
履きやすさを重視し、大きいサイズや弱すぎる圧迫圧の弾性ストッキングを着用した場合は、血流やリンパ液の流れが改善されず、症状の緩和が望めません。
逆にサイズが小さかったり、圧迫圧が強すぎたりしても食い込み・痛みを引き起こし、着用困難やむくみの悪化につながる恐れがあります。
弾性ストッキングを選ぶときは、立った姿勢で足首・ふくらはぎ・太ももなどの周囲を計測し、自分のサイズを知ることから始めましょう。計測のタイミングは、むくみが起きていない朝がおすすめです。
弾性ストッキングの圧迫圧は、クラス1の弱圧からクラス4の超強圧までさまざまです。医師と相談しながら、自分の症状に適した製品を選んでください。
高齢者が履く弾性ストッキングを選ぶ際に重視したいポイントには、長さも挙げられます。代表的な弾性ストッキングの長さは、以下の3種類です。
丈が短いほど着脱は容易です。しかし、むくみが膝や太ももにまで及んでいる場合、ずり落ち予防のために履き口がきつくなっているハイソックス・ストッキングタイプは、食い込みの原因になります。
むくみが反対側の脚や下腹部まで進行することもあるリンパ浮腫の方には、はじめからパンティストッキングタイプの導入をおすすめします。トイレや着替えで困らないよう、着脱のしやすさを追求して設計されている商品を選ぶと良いでしょう。
リンパ浮腫の方向けに作られた「リンパスリム」は、高齢者も使いやすい弾性ストッキングです。
リンパスリムの主なメリットは、次のとおりです。
当社は、多くの患者さんから寄せられた声を商品開発に活かし、今までの弾性ストッキングが合わずに治療をあきらめていた方にも、「履ける喜び」を提供しています。自分で手軽に始められるリンパ浮腫治療を求めている高齢の方にぴったりの商品が、リンパスリムです。
リンパ浮腫治療用の弾性ストッキングをお探しの方は、ぜひリンパスリムの購入をご検討ください。リンパスリムは、弾性ストッキングの着用自体を困難に感じている高齢者でも履きやすいように、設計されています。
要件を満たしており、医師の指示書があれば保険適用での購入も可能です。保険が適用されるかどうかは個々の状況によって異なるため、詳しくは主治医の先生にご相談ください。
「弾性ストッキングが履けない」と治療を断念することはありません。履きやすさにこだわったリンパスリムの効果をぜひ実感してください。
永尾 光一 先生
一般社団法人日本精索静脈瘤協会 理事長
医療法人社団マイクロ会 理事長
銀座リプロ外科 院長
昭和大学にて形成外科学を8年間専攻。その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する(2つの基本領域専門医を取得)。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役
三井 桂子
株式会社三井メディカルジャパン 代表取締役。日本における女性疾患についての認知や理解度の低さに危機感をおぼえ、医療機器開発に着手。子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱の治療に用いる「フェミクッション」を開発し、三井メディカルジャパンを通じて発売。
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続きを読むスターターキット ライトネット購入限定

まずは試してみたい
という⽅に!
セット内容
・サポーター1枚(ミディベージュサポーター)
・クッション 3個(S・M・L各サイズ1個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※スターターキット ライトをご選択の方はミディベージュサポーターのみとなります。
スターターキット

普段の⽣活でしっかり
使いたい⽅に!
セット内容
・サポーター1枚(次の項目で種類・サイズを選択ください)
・クッション 6個(S・M・L各サイズ2個)
・布製ホルダー(フリーサイズ3枚)
・洗浄栓
※コットンの特注サイズは現在在庫切れです。