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子宮脱、自分で治すことは可能?

子宮脱とは、子宮が女性器(膣)に下垂し膣外に出てきてしまう病気です。子宮のほか、膀胱・尿道・象徴・直腸などと合わせて「骨盤臓器脱」と呼ばれることもあります。
子宮脱は進行すると排尿困難や排便困難、性機能障害なども起こるようになります。痛みや出血のため、歩行困難になるなど、著しくQOL(生活の質)を低下させます。
また、恥ずかしさから病院にも行けず、家族や知人にも言えず、人知れず悩んでしまう病気でもあります。そのため「病院に行かず、自分で治すことはできないだろうか」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、子宮脱を病院に行かずに緩和する方法について、ご紹介しています。

子宮脱の治療方法

子宮脱の治療方法は「手術療法」「温存療法」の2つに分けることができます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の生活習慣や進行状況に応じて選択されます。

手術療法

ひとことで手術療法といっても、手術の方法にはさまざまな種類があります。子宮脱を完治させるためには手術療法しかありません。ただし、術式によっては手術後の再発も多くなっています。特にメッシュ療法と言われる「経膣メッシュ手術(TVM)」では、術後にメッシュが露出したり、メッシュびらんになったり、メッシュから感染が生じるリスクもあります。また、この手術はアメリカやヨーロッパでは完全に中止されています。

骨盤臓器脱の手術について詳しくはこちらをご覧ください。

温存療法

温存療法とは、外科的な処置は行わず、子宮脱の症状を緩和する療法です。
手術をすることで妊娠や性交ができなくなってしまうほか、手術費用も高く再発のリスクも考えられることから、あえて温存療法を選ぶ方も多いです。

温存療法には、骨盤底筋体操などのリハビリ的なものや、リングペッサリーやフェミクッションといった医療機器を用いる方法があります。

骨盤底筋体操

骨盤底筋体操は、子宮、膀胱、尿道、小腸、直腸を支える骨盤底筋を鍛えることができます。場所や時間を選ばずできる簡便な方法です。

骨盤底筋体操の方法
  • 寝ている状態:仰向けに寝て、足を肩幅に開き、膝を少し立てる
  • 椅子に座る状態:椅子に浅く腰掛ける
  • 立っている状態:つま先立ちになる
  • 深呼吸をして身体の力を抜く
  • 肛門や膣をしめてゆっくり10数える
  • そして力を抜いてリラックス

これを10回繰り返し、朝晩行うことがお薦めです。

しかし、後述するリングペッサリーを装着している状態では、膣内が広がってしまっているので、骨盤底筋体操をするには適していない状態と言えます。一部の医療機関では、リングペッサリーの自己脱着を推奨していて、それができる患者さんには骨盤底筋体操は有用です。

リングペッサリーの装着による治療

合併症などの理由により手術ができない場合、病院ではリングペッサリーが唯一の選択肢です。ドーナツ状の輪を膣の中に入れて、2~3ヶ月毎に病院にて膣洗浄・リング交換を行います。

△リングペッサリーの画像と、リングペッサリー装着中の女性器周辺の図

ただし、授産を望む女性は、リングペッサリーが適応外となってしまいます。また、中にはリングペッサリーがどうしても適さないという方もいらっしゃいます。そうした方に対しては、後述のフェミクッションがおすすめです。

フェミクッションの着用による治療

フェミクッションは、臓器を膣内に戻した状態で、外部からクッション、ホルダー、サポーターを用いて膣口を塞ぎ、押上げを保持するという形で使います。

フェミクッションは、患者さん自身ができる方法です。定期的に病院に通院できない、合併症や経済的理由ですぐに手術ができない、手術までリングペッサリーを外している期間など、履くだけで簡単に臓器を体内に収めておくことができます。

そのほか、フェミクッションには以下のようなメリットがあります。

  • 一日中装着する必要はなく、症状に合わせ、臓器が出てくる前に患者自身で装着すればよい。
    ※装着の際には臓器を還納している状態で使用する
  • 臓器が膣内に留まっている状態(還納)で膣口を塞ぎ押上げて使用するので、臓器や粘膜に対し負担が少ない
  • 合併症などで手術を受けられない人にも使用できる
  • 手術待ちなどリングペッサリーを抜去した際に使用できる
  • 洗って繰り返し使用できるので、毎日清潔に使用できる

ただし、フェミクッションにもデメリットがいくつかあります。しかし、これらデメリットはそれぞれ対処法がございます。

・健康保険の適応にならない
フェミクッションは医療機器ですので、確定申告時に医療費控除を受けられます。
また、生活保護を受給されている方向けに、医療機器の購入に対する医療扶助の対象になることもあります。生活保護を受給されている方は、担当のケースワーカーの方にご相談ください。
詳しくは「フェミクッションは保険適用で使えますか?骨盤臓器脱を保険適用で治したい」の記事をご覧ください。

・排尿排便の際にサポーターの着脱に手間取る患者がいる
らくらくタイプのサポーターや、ジッパータイプのサポーターを導入されると、お手洗いでも早く脱着することができます。

・使用方法をきちんと理解できるようにする必要がある
フェミクッションの使い方については、わかりやすく解説した動画をご用意しております。

フェミクッション以外の治療法について

リングペッサリーや骨盤底筋体操によらない治療法については、ネットを検索すると多くの情報が出てきます。しかし、その中には効果につながりにくいものもあります。

ベルトタイプのものは、膣へのサポートがありません。腰回りを締めても、膣を支えられなければ、腹圧と共に臓器は落ちてきてしまいます。
また、サポーターは、下から押し上げる力があったとしても、女性の性器は凹凸があるため、平たい面で押し上げても、効果は得られません。

ベルトではダメな理由
骨盤臓器脱の患者様の中には、トイレでトイレットペーパーを丸めて膣に当てているという方が多くいらっしゃいます。臓器が落ちないように、膣に何かを詰めておく必要があるのです。しかし、トイレットペーパーはもともと水に溶けやすいため、膣に当てると、膣の壁にくっついてしまいます。とても不潔にもなってしまい感染症などの心配も出て来てしまいます。

サポーターではダメな理由
また、ガードルやコルセットなど腹圧が高くなり衣類を着用している方も多いのですが、ガードルやコルセットは、お腹を凹ませてくれ、ヒップアップもしてくれますが、お股の部分にはテンションがかからない作りとなっています。上からの圧力などから、骨盤底筋も緊張が緩み、骨盤臓器脱を促進させてしまいます。上からの圧力に対抗するためには、下から押さえあげる力が必要です。市販ものにはその様な着衣はありません。

長年の研究の末、「柔らかくて支えて、そして衛生的」「上からの腹圧に対抗しながら、臓器を優しく受け止める」ということに成功しました。現在のフェミクッションです。

フェミクッションを目にされた多くの患者様が、「あーこれよこれ!」とうなづかれることが、これまでも幾度となくありました。皆さん、苦労しながら、色々と工夫されて、長年この骨盤臓器脱と付き合ってこられた方たちです。その様な方に限って、フェミクッションを見るや否やうなづかれるのです。「あー、これよこれ。私もこんなのがあったら良いなぁって思っていたの。」と。

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